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内容説明
「(アラブ人との)合意につながる唯一の道は『鉄の壁を建てる』ことであり、それはイスラエルの地ではいかなる状況下でもアラブ人の圧力に屈しない力がなければならないことを意味する」(1923年の論文「鉄の壁」より) 2002年に着工、今なお未完成のヨルダン川西岸の分離壁。その理論的基盤となる思想を唱えたのが、リクードのイデオロギー、修正主義シオニズムの鼻祖ジャボティンスキーである。紆余曲折を経て先鋭化されていった彼の民族論は、イスラエルの対アラブ強硬論を読み解く重要な鍵となる。民族と国家との関係はどうあるべきか? この紛争に未来はあるのか? 混迷の続くパレスチナ問題の核心と本質に迫る意欲作。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toska
9
イスラエル右派の思想潮流を、ルーツである修正主義シオニズムにまでさかのぼって検証した一冊。読後感は暗く重たい。彼らの始祖ジャボティンスキーは、基本的にはリベラルな価値観を持つ一方、ユダヤ国家の確立までは個人や階級の利害よりも民族のそれが優先されると考えていた。「期限付きの全体主義」とでも表現できそうな思想。そして、今も「アラブ人からの攻撃が止まない」という理屈で非常事態が正当化される現状、この思想は破壊的な遺産となっているのではないかと思う。2024/02/04
メルセ・ひすい
1
10. 青37 ★5 ‘94東大・修士論文 修正主義シオニズムの鼻祖ジャボティンスキーの民族論は、イスラエルの対アラブ強硬論を読み解く重要な鍵となる。民族と国家との関係はどうあるべきか? この紛争に未来はあるのか? パレスチナ問題の核心と本質に迫る。2008/10/08
天茶
0
読みかけ186p