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内容説明
日本を割った大戦争、なぜ虐殺で終わったか? 会津戦争は「新政府軍と旧幕府軍の戦い」ではない。非寛容の精神で残虐行為に走る薩長軍に対して、奥羽越列藩同盟は新生国家のグランドデザインを突きつけ、正面から戦闘を挑んだのだ。しかし、戦略なき会津軍は「武士道」のもと非戦闘員をも動員し、悲劇へと突き進む――。幕末の会津藩を追い続けた著者が描く一大戦記。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
6
会津の戦いを戦争という側面に着目すると、薩長側の権謀や全土を早く平定したい焦燥と、東北諸藩の状況認識の甘さや旧弊な戦略とが、最悪の形で衝突してしまったという感がある。互いの戦争観も相当に異なり、近代戦を指向する薩長に、戦国以来の合戦を挑もうとする東北勢という構図だった。東北側は総じて意外にも武器(ハード)は揃っていたのに、運用する戦略や戦術が追い付かず、指揮能力のある人材が極端に不足していたのが致命的。だから、会津戦争は勇戦なれど、悪戯に被害ばかりが多い、稚拙な戦いになった。会津に同情しつつも冷静な視点だ2013/10/05
m
3
会津観光の復習に。もっと早く降伏できていればまた違ったのかな。東北はいつも損な役回りを押し付けられている気がする。2022/05/18
まんむー
1
会津はなぜここまで苦難を強いられたのだろう。いろんな資料を元に解説されているが、かなりむごい資料もある。戦後の措置についてもなにゆえ斗南に行かねばならないのか。長州藩木戸孝允が極度に会津藩士を憎んでいたような書きぶりだった。なかなか興味深い内容でした。2025/04/27
かのこ
0
あくまでも戦史として、克明に会津戦争を描写。途中読み飛ばした箇所もあったけど、昨年の大河ドラマ「八重の桜」のあのシーンは、ほんとだったのか!と思うところ多数。しかし、なにしろ佐川官兵衛びいき。2014/06/05
ブリュレ
0
鳥羽伏見の戦いから若松城開城まで、そしてエピローグ少々。戦中における薩長軍の蛮行とともに会津藩の戦略的拙さにも注目している。2013/06/11