内容説明
「当事者主義」という編集方針を掲げ、その時代の話題の出来事について、関係者たちの証言をもとにした記事を掲載し続けてきた月刊『文藝春秋』。そんな『文藝春秋』の記事で戦後70年を振り返る特別増刊全4巻を刊行。第1巻は、「終戦から高度成長期まで」。戦後最大のスクープといわれる「昭和天皇独白録」をはじめ、「死後十五年目の発見 処刑直前の日記公開 東條英機」や「『貧乏人は麦を食え』のヒトの回想 大蔵大臣はつらい 池田勇人」、「時の幹事長がぶち上げた政権構想 日本列島改造の青写真 田中角栄」などを掲載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
matsu04
20
太宰の自殺に寄せて井伏鱒二が書いたしっくりとした文章や、芥川賞受賞時の石原慎太郎の気負った感想、同人への授賞を痛切に批判した佐藤春夫の講評などなど、なかなかに興味深いものがあった。2015/07/16
nota
2
G20やG7などに日本が顔を出していることがあたりまえのように感じているが、それまでに積み重ねてきた先輩方について考えることがなかったことは不明であった。 「戦後の焼け野原の中からの復興、そして経済大国へ」という文言は、本書に収録されている、当時に語られた諸氏のことばで初めて納得できた。 同時に、40年も50年も前に現在を見通していた−ある問題は顕在化ののち解決し、別の問題は拡大していたり−ということについても脅威だ。 軽く読める話もあって、それはそれで楽しい。2019/10/03