内容説明
大陸全土の統一を目論む大帝国に生まれし第五皇子ラウル。彼は国家の象徴たる宝具を扱えないという欠陥から【帝国の屑星】と見下される存在であった。それでも腐らずに自己鍛錬を重ねたラウルは、やがて政略結婚の駒として、小国の美しき姫君の下へ婿入りするのだが――それこそが反撃の狼煙。今ここに、少数精鋭を従えた屑星の快進撃が始まる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
27
宝具を扱えない欠陥から帝国の屑星と見下される存在だった第五皇子ラウル。そんな彼が政略結婚の駒として小国の美しき姫君ルシアへ婿入りするのを機に始まる屑星の快進撃。亡き兄の志を受け継いで、愚鈍を装いつつ文武の才を磨いていたラウルが、政道を正そうと立ち上がるという王道展開。実は夢見る乙女だったルシアのツンデレっぷりとか、立ちはだかった異母兄のテンプレな悪役ぶりとか、ベタといえばベタなんですが、脇を固めるキャラたちもしっかりと存在感があって、ここからどう物語を展開していくのか今後が楽しみな作品でした。次巻に期待。2015/06/30
晦夢
19
面白い。皇族なのに宝具を使えないラウルは屑星として見下されて、ついには政略結婚の駒として小国に婿入りすることになる。そこから始まる屑星の快進撃。という訳でファンタジー戦記開幕。政略結婚から始まる関係っていいよね。しかし、マリーベルがラウルのために自分の気持を押し込める姿は愛おしい。大きな目的のためとはいえ報われて欲しい。今回は馬鹿な兄を利用して上手く事が進んだが、今後はそうもならないだろうからどう立ち回っていくのか楽しみ。それに今回は地の利もあったしな。これからが本番か。2015/07/05
ラル
14
期待以上にめっちゃ面白い!皇族なら持っているはずの能力を持っておらず、それ故に冷遇されていたものの、政略結婚に出されてその能力を思う存分発揮していく…というお話。帝国は先代が優秀であったものの今は二男と三男で派閥争い中。先代、そして今は亡き長男の遺志を継ぐべく屑星皇子が立ち上がる!的な内容。戦記物としても面白いし各キャラに魅力があり主人公も好感しかない。そして何と言ってもマリーベル!ああいう立ち位置のキャラめっちゃ好きなんです…。そんな中初夜の日のリハルトさんかっこよかった!これはオススメ!二巻も期待大!2015/07/07
真白優樹
13
見下されてきた少年が婿入りを機に反撃を開始する物語。・・・ふむ、戦記ものという括りの中では結構作りこまれている部類に入るのではないだろうかこの作品は。目指す先の目標が明確ではない気もするが主人公とヒロイン、及び仲間達のキャラはちゃんと直立しているので中々にいいのではないかと思う。・・うん、このままヒロインが増えたりせずに王道ど真ん中を突っ走ってくれるといいのだが。今回はどちらかと言えば小規模な戦いだったからいずれは大軍同士の戦いとかも見てみたいものである。 先が楽しみな作品がまた一つ、次巻も楽しみである。2015/07/01
シャルシェ
11
屑星と呼ばれて虐げられてきた皇子が"黄金"の志を継ぎ、帝国を救うために立ち上がる物語。国を憂うだけでなく、「見返してやる」という野心があるのが良いところです。戦記物は逆境を跳ね返す策略があるかないかが評価の1つだと思うのですが、今作に出てくるものは「えー?そんなんで解決?」みたいなものがなく、うんうんと頷けるものだったのでとても良かったです。今回は愚かな兄が相手だったので、次巻以降有能な相手になった時の策に期待です。ルシエもまあ可愛いっちゃ可愛いですが、やはりマリーベルが報われるといいなあと思いつつ。2015/07/12