内容説明
ワンマン宰相と呼ばれ、占領からの早期独立を果たした吉田茂。戦前、外交官だった彼は、ヒトラー、ムッソリーニと手を結ぶ三国軍事同盟に強く反対。最後まで開戦を回避しようと努力する。さらに、戦争中も早期終戦に奔走するが、反東条派と睨まれた彼は、スパイを送り込まれ、ついに憲兵に逮捕されてしまう。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sakie
18
日本が敗戦に向かって転げ落ちている時分、政府や官僚は何をしていたのかと以前の私は鼻白んだものだったが、今よりも胆力があって優秀な政治家や外務省官僚でも止めることができないほど、陸軍や親独派政治家の勢いが急速についてしまっていた。なんとか戦争回避、早期終結に奮闘していたのが、あの首相の入替りの激しさ、内閣の短命に表れていたと知る。水面下で流れた組閣も多かった由。結局、戦争に積極的な態度を取った首相は東条だけだったようだ。吉田茂も切歯扼腕、陰で奔走していた一人。憲兵隊コード"ヨハンセン"とは「吉田反戦」の意。2022/07/19
あらあらら
18
白州次郎の本に比べるとあっさりしてる。麻生太郎がちょいちょい出てくる。2016/02/24
たいよう
7
杉原千畝も吉田茂も、与えられた立場で大局的に考え、正しいと思うことを実践してきた。第二次世界大戦に向かっていく時代でも、多くの日本人が国のために戦争とは違う道を模索して努力していたことがわかった。当時と比べて今は、言われたことはするけど、自分で考えて行動する人が少なくなってきてるのかなと感じた。2016/01/01
よしさん只今休憩中~
6
吉田茂の敗戦からサンフランシスコ講和条約まで奮闘を描いた作品。 上巻は敗戦までの吉田の経歴、生い立ちを描くことで吉田茂の精神の源を描いている。 しかし、本書をよむと彼とともに奮闘した白洲次郎と生い立ちといい、性格といいよく似ていると思う。 彼らに共通する頑固で自我を貫く性格、そして年長者に目にかけられ、可愛がられるのは 彼らが資産家の出であり、他者を気にせずにいられる我儘さと上流階級としての育ちの良さが生み出した産物であろうと感じた。 2013/05/22
スプリント
5
上巻は第二次世界大戦後まで 吉田茂だけでなく関係する人物の略歴にも触れているので 吉田茂が生きた時代の背景も理解しやすい。2025/08/15
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