内容説明
少年のようにスポーツカーをこよなく愛した一方で、戦後いち早く日本の経済的独立を目指し通商産業省創設に奔走。ところが創設後はすっと身を引く。 全てが次郎の「紳士の哲学」であった。エッセイスト白洲正子とともに過ごした彼の人生を膨大な資料を基に解き明かす必読の白洲次郎評伝。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さぜん
59
日本の復興のためGHQに抵抗した次郎。私利私欲などなくただただ己の義とプリンシプルを貫く姿は格好いい。通商産業省創設、電気事業の再編成と奔走し、講和条約締結のため暗躍する。歴史に「もし」があったなら、次郎がいなかったら今の日本はどうなっていたのか。彼を重用した吉田茂の存在も大きい。こんな政治家が現れることを願う。驚いたのは次郎の敵であったケーディスの不倫エピソード。これが発端で「昭和電工事件」があったり、まるでドラマのよう。次郎の評伝だけでなく激動の戦後昭和史も描かれ面白く読了。2025/11/29
mitei
49
とにかくかっこ良かった。今の日本人にはこのような人がいるんだろうか?2011/02/02
ころこ
47
白洲は吉田茂の下でGHQ民生局と渡り合い、通産省の創設に尽力して戦後復興の大きな力となった。徒党を組まない。地位に恋々としない。プライベートでは車やゴルフなど多彩で破天荒。独立不羈で自由奔放。葬式無用、戒名不用はむしろ時代が追い付いてきた。商業と平和主義的な方法で問題を解決するのは、どこか司馬遼太郎の描いた坂本竜馬と重なる。いや、むしろ司馬が竜馬を白洲のように描いたのではないかと思わせる。チョイ悪おやじの走りのような人気だけでなく、2度目の敗戦と言われたバブル崩壊からの金融危機の時期に流行ったのも頷ける。2024/06/07
Nissy
38
この下巻はGHQとの手に汗握るような攻防や講和に至る経緯に白洲次郎がどう関わってきたかを克明に描写しています。白洲次郎がもしいなかったら、今の日本は違う姿になっていたかもしれません。気骨があってプリンシプルにこだわる人間の痛快なエピソードの数々は心に残りました。2020/08/06
saga
34
【再読】上巻での憲法改正のエピソードの次に大きな山場が講和・独立に関することだ。吉田全権の講和受諾演説を日本語で行わせるくだりは緊張感が伝わる。次郎は墓場に持っていくべき闇にも触れていたが、彼の生き様に通る筋=プリンシプルがあったからこそ、表舞台でも縁の下でも力を発揮できたのだろうと思う。そして死に様「葬式無用、戒名不用」も憧れる。2018/06/04




