内容説明
戦国武将たちは、自城の守りを固めるため、城造り・戸波市郎太の力を求めた――。織田信長の再三の要請を受け、市郎太は覇王の言う「天下城」を造ることを約束する。その機会が訪れる前にも多聞山城や合戦前の長篠城を手がけ、技術を磨いた。乱世を平定した信長は、近江に城を築くことを決めた。伝説となった安土城の栄枯盛衰。そして数奇な運命を生きた鬼才の生涯も幕を閉じる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
336
市郎太は穴太衆の親方になり、松永久秀の多門城で大がかりな石垣を作る。評判は他の大名にも聞こえ、あちこちから声が掛かる。当時の大名は築城、戦の備えとしての改修に余念がない。信長からも仕事を受けるようになり、安土城の石垣を任せられる。三年を掛けて落ちないはずの城が完成する。お披露目の日に石垣が一部崩れ、責任を取り市郎太は穴太衆から離れ、以後築城に関わることは無かった。本能寺の変のあと日を経ずに安土城は落城し、市郎太は落胆する。果たせなかった石造りの落ちない城を作る夢は、二人の息子に引き継がれた。2026/06/11
RIN
36
築城、それも土台となる石積みの職人視点での戦国時代。兵器の変化に伴い戦争の方法も変化していくのは古今東西同じではあるものの、海外からの技術輸入もほとんどなく書物による知識の習得もままならぬ時代に、豊かな想像力と俯瞰する眼と柔軟な好奇心を持てば、天才は翼を得るものだと感じ入る。武士も商人も職人も男たちが躍動した時代の熱風を感じる秀作。最近ワクワクドキドキが足りない、という方におススメ(^_^)v2017/05/15
ケンケン
32
(615冊目)下巻も申し分なく面白かった! 戦闘シーンは勿論の事、安土城を築城する過程やそれに伴う人間ドラマと読みどころ満載でした。珍しい石積み職人の目線で描かれる戦国乱世、多くの歴史ファンの皆さまに読んで欲しい一冊です。 きっと城が見たくなるでしょう(*´ω`)2020/02/06
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
27
戦国時代の城造りは、鉄砲の到来を機に大きく変わっていた、ということをこの作品ではじめて知った。山城のほうが堅固で攻めにくいイメージを素人目でも持つが、鉄砲が使いにくいという弱点がある。平城のほうが攻め易いイメージだが、鉄砲で守るのに適している。もちろん市郎太のような腕のある石積み職人が造っての話しだが。数奇な運命を辿った戸波市郎太は、安土城という信長時代最大の天下城を築く。上巻冒頭で安土城は炎上しているが、築城からわずか9年で安土城は廃城している。大名でも武将の話しでもなかったが、味のある良作だ。2016/11/16
sayan
24
上巻では、城が焼き落ちるシーンが印象的だが、下巻は目に見えぬ城をイメージ創造していく様子が興味深い。国内のみならず海外の知識や技術を目の当たりに、城構え堀等がもつ機能も大きく変化するなかで、職人にもイノベーション熱が出てくる。それを受け継ぎ「ヨーロッパ」に渡る「次の主人公」がここで登場する。そのストーリー展開はあっという間で、いい意味で勢いを感じる。再度、獅子の城塞を読みたいと思わせる。2017/11/18
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