内容説明
沖縄返還直前、タカ派御用達の英字新聞記者・伊波尚友は、CIAと見られる二人の米国人から反戦運動家たちへのスパイ活動を迫られる。グリーンカードの発給を条件に承諾した彼は、地元コザへと戻るが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
380
1972年、本土復帰直前の沖縄を舞台に描くスケールの大きな小説。分量的にも上下巻で1400ページの力作である。主人公のアナーキスト尚友の語りで描かれる沖縄は負の躍動感と諦念とが同居する。世上の騒然たる動きと、尚友の鬱屈した情念とが交錯するところに小説世界が拡がってゆく。時はまたヴェトナム戦争の最中でもあったのであり、沖縄は大勢のヴェトナム帰還兵で溢れてもいた。米軍の中の黒人兵と沖縄の人々とはっ相互に暗喩的な存在でもあった。馳の筆致は様々な意味においてリアルだ。2021/09/27
koba
25
★★☆☆☆ 2019/03/27
バジル
6
長い!しかし面白い!!最近多忙で細切れでしか読めてないけど、全く″なんだったっけ?″ってならないし、毎回すいすい世界に入って行けてすごい。そして何より主人公の尚友がいい👍全く想像つかないけど、少しでも幸せなラストにたどり着いて欲しい~と願いつつ下巻へ。2025/10/21
みどり
6
沖縄返還は私にとってはもう、学校に通っていて、 きちんと授業を受けて、テレビでそのニュースを生で見ていた話。 家族旅行で沖縄に行くときには、パスポートが必要だった時代。 それを、「平成の時代」に、タイムスリップしたような感覚で描かれているのを読むのはすごく不思議だった。長い話、下巻が気になる。2021/09/07
宮崎太郎(たろう屋)
5
馳ノワールの真骨頂。返還前の沖縄に渦巻く人と人の間の感情。米軍と日本。騙し合い、蔑み、ひずみを全部受け入れていく。小説だが歴史を受け止めようする力を感じる。2025/11/01




