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内容説明
マックス・ヴェーバーと並び称されたドイツの経済学者が1911年に著した代表著作。ヴェーバーとは異なり、プロテスタンティズムは資本主義を阻害するものであり、ユダヤ人のほうが資本主義の発展につくした、という。国際的な経済の中心地の移動と、ユダヤ人の人口移動との関連を明らかにし、さらに、ユダヤ人がこうした役割を果たしたのは近代以前からであることを、歴史をさかのぼり、その宗教生活を探ることで解明していく。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タナカ電子出版
29
もともとこの本はマックス・ウェバーの(プロテスタンティズムの倫理と資本の精神)のアンチ本として登場しました❗近代経済の原動力がどちらにあるせよ、どちでらでもいいです👀‼️なぜ人はそこまでお金お金💰と盲進できるのか⁉️そこが気になります✨中国の宦官が去勢されて出世欲にかられるように、ヒトは性欲を奪われれば、それを埋め合わせように他の欲に目覚めるかもしれない…多くの可能は人を迷いや誘惑に溺れさせるが、1つの可能性しかないと制限されると盲進せざるおえない、それが性欲を押さえられた2つの宗教と本の共通性です。2019/05/26
ゲオルギオ・ハーン
26
ユダヤ人の戒律や習慣が資本主義と相性が良く、経済成長におけるユダヤ人の貢献、成功する割合の高さを論じた一冊。ドイツでは再評価を受けている古典作品という解説がありますが、1911年の作品ということもあり時代や地域性を感じるところがあります。持ち味としては統計資料とユダヤ教についての分析となっています。歴史的なところで確かにユダヤ人を追放したスペインの経済的な凋落やユダヤ人を受け入れた国々の発展はあるので民族性以外のところでの分析も欲しかったです(本書の主旨とずれるのでワガママかもしれません)。2021/09/27
ラウリスタ~
13
ヴェーバーの有名な『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』にいわば対抗するものとして書かれた本。予想以上に面白い。書かれたのは1911年、フランスではドレフュス事件の余韻収まらぬころだが、ドイツでは金持ちで(戦争の際には)リスクを回避できるユダヤ人像がまだ描けたのだろう。離散したが故に、却って団結し、世界中に散らばったために商業において中心的役割を果たし、彼らを追い出した国(スペイン、ポルトガル)は新大陸の発見にも関わらず衰退し、その受け入れ先となったオランダが摩訶不思議な経済大国となる。刺激的。2015/07/25
Ex libris 毒餃子
8
ユダヤ人の宗教的特性が資本主義の発展に適っていた、という説は読んでみると納得する。また、知識の獲得や資本の蓄積がユダヤの教えで奨励されていた、というのも興味深い。ヴェーバーの『プロ倫』は逆説的に説明していくので分かりにくい部分もある。個人的にはゾンバルトの説の方が腑に落ちる。2015/09/06
M
6
ユダヤ人が資本主義的性格(資本家を企業家と商人の性格を兼ね備えた人物と定義している)を持つに至った背景に離散などの歴史的経緯とそれ故のエネルギーを金銭獲得に昇華させたこと、その独自の精神性はユダヤ教の宗教法とも呼べるトーラーやミシュナなどの規範を内面化することによって生じ、その宗教的生活を維持し続ける過程に源泉を見出したことはマックス・ヴェーバーの見解と異なる点である。経済生活におけるユダヤ教の価値観を知れて良かったし、ゾンバルトが遺伝や環境よりも精神性に重きを置いていたことに驚きつつ、納得できた。2019/05/12