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内容説明
戦況は、いよいよ敗色濃厚。時代の荒波は著者の人生をものみ込んでいく。満洲から帰国し、佐世保海兵団に入隊。訓練に明け暮れていたある日、ついにその日がやってきた。玉音放送――。逸脱者・沼正三の目に敗戦国ニッポンはどう映ったのか。変態としての自分を余すところなく晒し、かつ、激動昭和の知られざる真の姿を描いた名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ただいま蔵書整理中の18歳女子大生そっくりおじさん・寺
57
完結。魅力的な本だ。沼正三(天野哲夫)の自伝ではあるが題名通り青春記であるので、戦後数年で終わる。著者の言うように戦前で昭和は死に、戦後はまた別の時代かも知れない。下巻は昭和20年の記述が多いが、昭和天皇に対する批判的な言葉が頻繁に出て来る。その批判はよく理解できる。戦争体験者の記憶の捏造も批判。本当に不幸であった人は亡くなっていたりするのである。著者の反体制でありながら、反大衆的なスタンスが面白い。戦後はまさしく物が神である。そして格差は今なお続く。独特の考察に満ちた実に面白い昭和史だと思う。2014/10/01
三田郎
1
いよいよ戦争に突入。終戦直後に燃やされるはずであった日記は隠して持ち出され、本書の克明な戦争描写の元となった。著者が言う「こぼれ落ちた歴史」。つまり教科書や声明には排除された出来事、複雑さとリアルさ、匂いと猥雑さをもって、興味深い天皇観、戦争観、日本人論を提示している。 戦争は草と土の匂いたちのぼる灼熱の八月、佐世保で見たキノコ雲の圧倒的な描写を経て終焉を迎える。迎えた戦後は美談なき物資の奪い合いと欲望と倒錯の時代であった。2025/01/08
しんすけ
1
最終巻前半は敗戦近い時期の話。原爆投下後も敗戦を自覚するが二割に満たぬは脅威だ。集団催眠は現実だった。現代メディアは嘘だけを書くが大半は疑わない。狂人晋三が毒素を有効にする証だ。半ばより敗戦後の日本が描かれる。ぼくの記憶と重なるところも多い。貫禄ある米国人と貧相な男が並んだ絵は子供心に滑稽だった。男は天皇だった。本書は「元師と並び立った天皇は、はるかに貧相な、シナの小官吏ででもありそうなチョビ髭を鼻下に生やした一介の小男にすぎなかった。」と書く。小男の名誉を守るために終戦は一年以上遅らされたのである。 2015/02/14
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