内容説明
音を聴き、光を捉え、気配を感じる…。皮膚を「露出する脳」である喝破した著者が導き出した結論は、「五感は皮膚から始まった」とする驚異の仮説だった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K K
4
面白い!心が肌の状態を変えるというのはすごい。 男性の脇の下の分泌物のアルコール抽出物が女性の月経周期に影響を与え、女性の抽出物が女性の月経周期を同調させるってすごい。 離れている対象も近くする皮膚。 超音波も実は脳では聞いているおり、低周波音は恐怖の原因になる。 皮膚は錯覚が少ない。 カメレオンは感情によっても色を変える。 触れなくても人は皮膚の振動を感じる。 撫でるだけで1/f ゆらぎ が起きオキシトシンを分泌できる。 オキシトシンは母性を強め、生理学的な意味の勿忘草というのはいい。2017/06/19
茶幸才斎
2
皮膚は様々な波長の音を振動として感知している、なにせ太鼓には動物の皮を使うくらいだからね、みたいな感じで、触覚を担うだけでない皮膚の驚きの機能から、自己と社会の境界としての皮膚論まで、想像力豊かに論じている。接触によって皮膚は振動し、その振動は額を伝って脳に影響を及ぼしているそうだ。私も負けずに、脳を覆う血管網の血流が生み出す振動がグリア細胞を経て脳内の情報処理に影響を与えている、つまり脳は心臓が生み出す血流のリズムの支配下にある、という説を提唱させてもらう。なにせ頭のいい人は血の巡りがいいと云うからね。2013/01/31
mat
1
武道でもちいられる秘術の仕組みを解明する手掛かりになります。2016/06/25
Sosseki
1
皮膚には温度、圧力だけでなく、光や色や音(超音波)を感じることができるという本は前にもどこかで読んだ気がする。たいした器官だ!指先で(嫌な物を)「触る」と手のひらで「触れる」とか、育児・介護でのふれる効果等、そうかもと思う。2016/02/07
てあて・あら木
1
以前読んだ時より良い印象。 「さする・なでる・タップする」などで、人がどう感じるかなど面白かった。 論理の飛躍と言うか、「○○だからこう思う。」「○○で○○だからこうに違いない。」と言うような表現が多く、推論するにしても根拠が甘いような感じは変わりない。2015/06/30