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内容説明
【「カンブリア宮殿」出演で話題沸騰!】
本書は、21世紀の「所得倍増計画」の提言です。
少子化が経済の足を引っ張る日本。
出生率は、すぐには上がりません。
移民政策は、なかなか受け入れられません。
ならば、外国人観光客をたくさん呼んで、
お金を落としてもらえばいいのです。
この国には、【世界有数の観光大国】になれる、潜在力があるのですから。
ですが、2014年の訪日客数は1300万人程度です。
日本ほどのポテンシャルをもつ国としては、驚くほど少ない数と言わざるをえません。
日本の潜在力と世界の観光産業の隆盛を考えれば、
2030年までに8200万人を招致することも、決して不可能ではありません。
それを成し遂げることで、日本経済には「第2の高度成長期」が訪れるのです。
本書では、そのための方策を、詳しく解説しましょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
124
面白かった。元証券アナリストで今は日本の文化財修復企業の社長を務めるイギリス人による観光立国論。少子高齢化の中でGDPを倍増させるには海外からの観光客を増やすのが良い。日本は気候、自然、文化、食事の4条件に恵まれていながら、ぜんぜん海外の観光客を取り込めていない。国を挙げて取り組もうとしている「おもてなし」はピント外れ。長期滞在して金を落としてくれる、オーストラリア、ヨーロッパの富裕層に向けたインフラとコンテンツを整備すべき。そのために、街並み、ガイドブック、高級ホテル、優先サービスなどが必要、とのこと。2015/12/15
seki
77
滝クリ氏の「おもてなし」が、外国人からは冷ややかな反応だったとは驚いた。データに基づき、鋭く日本の観光立国への取り組みが世界からはズレているという指摘。自慢と思えた治安の良さは、外国人観光客の増加にはプラスαくらいにしかならないという。では、どうすればよいか?そのヒントは多様性らしい。それも無料ではなく、特別なサービスを提供するときは、見合った対価をとればよいと。全てではないが、なるほどと思える提言が満載の一冊。観光関係者には、抵抗がある提言も多いと思うが、ここを素直を受け入れなければ、先はないと思った。2019/09/28
HMax
60
データや具体例をふんだんに使い、説得力のある提言でした。 ビジネスにも通じることが多く見につまされます。 「国が対応すること(文化財保護)」も大切ですが「自助努力」が肝心ですね。 空っぽの天守閣や茶室というのは本当にがっかりとはその通り。素晴らしい襖絵や美しい生け花、盆栽等を飾り往時の様子も復元して欲しいものです。 あと券売機でカードが使えるといいながらviewカードだけというのは詐欺です。2016/01/21
けぴ
56
観光を産業と位置付けるならお金を稼ぐ方法をキチンと考えましょう!とうい要旨。アジアからの観光客は数は多いが客単価は低い。欧米豪からの客は数は少ないが客単価が高い。長期的に滞在する傾向が強いし超富裕層もいるため。お金を考えると後者をより多く取り込むにはどうするか?神社仏閣などに見るべきものが多々あるが、それに対する解説・ガイドが不足していることを指摘。ボランティアでなく有料のガイド・パンフレットも必要と。また混雑しているところではお金によりファストパスのようなものを積極的に導入を。なかなか鋭い指摘が多い良書2021/04/20
Willie the Wildcat
56
可能性の追求とマーケティング。主副の強みの再分析も一理。特に、文化財整備の現状に少なからず失望。以前NHKで観た「日光東照宮の劣化」を彷彿。外国人観光客が落とすお金ではなく、あくまで海外の方々と共に文化財を保護することを主眼と捉えたい。故に、過渡な観光ロジスティクス整備には懸念。加えて、GWの廃止も総論賛成も各論には違和感。あまりにGDP比率等を意識し過ぎて、”心”を見失っている気がする。結果論として「おもてなし」の精神が、海外から訪問される方々の印象に残ってくれる文化でありたい。2015/10/12