内容説明
深い森の奥に子供を売り買いする「ひと市」が立つ。集落が生き残る術として――。甲斐の虎と越後の龍の一触即発前夜、隠居館で暮らす信虎の息子が攫われた。七歳の太郎の行方を追って、武田・長尾・今川・北条、それぞれの欲と思惑のため忍びが暗躍、無坂ら山の者は義と情のため戦い抜く。<文庫書下ろし>
目次
序
第一章 雪斎の依頼
第二章 追う者
第三章 軒猿と鶴喰
第四章 《かまきり》
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポチ
57
『外れ』になった無坂が二ツと山の中を駆け巡り、謙信と出会い軒猿と行動を共にしたり、武田のカマキリと死闘を繰り広げたりハラハラドキドキの面白さ!。トヨスケがいい味を出していますね(^^)下巻はどうなる⁈2017/07/23
つねじろう
37
前作の無坂が大人しめだったからどうかなあって思ったけどまたまた大混乱するほど忍者だらけになって名前覚えるのが大変になる。でも血は確実に沸いて来る。武田と長尾、北条に今川に織田の勢力争いの戦乱はいやがうえにも山の者も巻き込む。南陵七ツ屋の二ツがここで登場する憎さ。義と情けに生きる山の無坂達の未来はあるのかと言う感じで下巻に進む。2017/02/13
はにこ
32
今までの嶽神伝に出てきた無坂、二ツ、真木備、月草達が子供探しの最中でカマキリと戦いながら大活躍。猿のトヨスケもめっちゃ可愛い!戦国時代の入り組んだ勢力図が難しいけど勉強になる。さぁ、下巻に行こう。2021/05/12
ベルるるる
31
無坂の続編。二ツ、月草、真木備、みんな強い強い。でも、強いだけじゃない。山の者としての守るべき仁義がある。掟がある。誇りがある。武田信虎、信玄、北条、長尾景虎、そして幼い頃の秀吉や家康まで・・・。このスピード感がたまらない。長谷川卓ってすごい!2016/07/13
としあきオルタ
28
無坂が山の掟を破り木暮衆から期限付外れとなった上巻。甲斐の虎と越後の龍の一触即発前夜、武田の太郎探しの中での真木備、月草との再開、更に南陵七ツ家の二ツとの出会い。日吉(豊臣秀吉)や竹千代(徳川家康)と云った若かりし時代の歴史上の人物とも知り合ったりと世界がどんどん広がっていくのに流されず義を貫く。外れとして独力で山に暮らし、水石や食べ物を探したりと山に溶け込んで生きる様は寂しくもあり自由でもありと楽しそうでした。武田のかまきりや鳥谷衆との因縁は決着するのか…下巻に続きます。ε=ε=┏(・_・)┛2017/06/03