内容説明
中東の過激派組織「イスラム国」の実態を描いた
フランス人女性ジャーナリストによる戦慄のルポルタージュ
ヨーロッパでは、インターネットを通じて中東の過激派組織「イスラム国」にアクセスする若者が日に日に増えている。その背景には何があるのか?
当事者や家族を取材してきた著者アンナ・エレルは、ジャーナリストの身元を隠し、「メロディー」という仮名でフェイスブックを通じて「イスラム国」の幹部の男と知り合う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
64
ジャーナリストのアンナは、IS幹部の男の餌としてネット上にメロディーというアバターを放つ。ネット上では、自分が別の人間になることは容易だ。全身を黒いベールで覆い、スカイプの会話で、従順で世間知らずな女の子を演じながらISの殺人者の心理に入り込んでいく。取材活動は、シリアのラッカで展開されているISの情報に探りを入れながら、狂信的な男の求婚に応じていく危険極まりないもの。ジャーナリストとしてそこまでやる必要があるのか、やがて越えてはならない場所へ向かう。トラウマになっていなければいいんだけどね。2018/12/04
白玉あずき
18
やっぱり自分は気が小さい弱虫だと再認識した・・・・ IS幹部と関わると思うだけで嫌だ。彼らの独善性や攻撃性が怖い、感染しそうな気がする。恐怖で支配されるなんて真っ平御免なのに、蛇に睨まれた蛙君になる自分がまざまざと想像できるのが本当に嫌。「悪人」といえども、だまして取材するのは不快な行為だとは思うが、今後の著者の心の平安と無事を祈ります。2015/08/18
ののまる
17
フランスのジャーナリストがジハーディスト希望の女性になりすまし、スカイプやFBでIS幹部に接触し、熱烈な求婚を受けてネットを通じて内部に潜入したルポ。どうなるのかと、彼女は大丈夫だろうかと不安が募る。取材方法には賛否両論だろうけれど、ネットを介して若い志願者を募り洗脳していくISの実態がよくわかった。主要言語が日本語だからこういうことから守られてる面もあるんだろう。イスラム教徒がISは自分たちの宗教を冒涜していると主張していることも、IS幹部(フランス人)の生身の言動をみるとよく理解できる。2016/02/04
あんこ
12
若い女の子になりすまし、スカイプやネットでIS幹部とやりとりしたフランス人女性ジャーナリストのルポルタージュ。ハラハラしちゃって逆に一気には読めない。文章も「その時には知る由もなかったのです」的な感じで先に待ち構えるものを予想させる。取材にのめり込んでいく作者。非常に読み応えのある一冊だけれども同時に、それと引き換えにしたものの大きさに何とも言えない気持ちになった。2015/06/20
たっこ。
12
あまりのスリルにいっぺんに読んでしまった。スリル,なんて言葉は安っぽくていけないのかも知れない。仏女性ジャーナリストが偽名を使って,IS大物幹部と親しいやりとりを仮装し,他方で胸のむかつく思いをしながらも続けたやりとりのルポルタージュ。帯にある「イスラム国の実態を描いた」というほどの内容はない。むしろ大物幹部とされる一人の人間が,彼女に当初注ぐ優しさと他者への蔑視,そして親しくなるにつれて現し始める獣性が,遂には記者に刃を向けるのではないかという今にも死に直面するかも知れない,胸の詰まるような恐怖だった。2015/05/26
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