さよなら、シリアルキラー

個数:1
紙書籍版価格
¥1,320
  • 電子書籍
  • Reader

さよなら、シリアルキラー

  • ISBN:9784488208035

ファイル: /

内容説明

ぼくには連続殺人犯の血が流れている。ぼくには殺人者の心がわかる――ジャズは高校三年生。田舎町ロボズ・ノッドではちょっとした有名人だ。ある日町で衝撃的な事件が起きた。指を切りとられた女性の死体が発見されたのだ。連続殺人だとジャズは訴えたが、保安官はとりあわない。だが事件はそれだけでは終わらなかった。なぜジャズには確信があったのか。それは彼が21世紀最悪といわれる連続殺人犯の息子で、幼い頃から殺人鬼としての英才教育を受けてきたからだった。親友を大切に思い、恋人を愛するジャズは、内なる怪物に苦悩しつつも、自らの手で犯人を捕まえようとする。全米で評判の異色の青春ミステリ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Panzer Leader

118
幼い時よりシリアルキラーの父親から殺人鬼の英才教育を受け、精神錯乱気味の祖母・行方不明の母親・世間の冷たい目等・「ベイツ・モーテル」のノーマン以上に悪い環境にいながらもジャズがダークサイドに落ちなかったのは、本人の父親の様にはなるまいとの強い意志と、少人数ながらもジャズの心強い味方(親友・恋人・保安官)があったから。ラストのジャズの固い決意は次作以降のある人物との対決を予感させる。陰惨な事件を扱っている割に軽く読めてしまうのは若い主人公たちが 生き生きと描写されているからか。2015/08/15

Aya Murakami

106
東京創元社文庫刊行60周年フェア対象本 ソシオパス兼たぶん認知症の祖母のイネブラー役を買って出ている少年が主人公。取り巻く友人関係も血友病の少年や黒人の少女などどこかマイノリティの気配がする環境。つらい家庭環境を見限れない少年主人公の心情がつらすぎる。そして本作の犯人役(通称ものまね師)のやりくちも怖すぎる。ものまね師であってもソシオパスはソシオパスなのです。2019/08/03

よむよむ

94
読友さんのレビューを見て手に取りました。3部作の1作目。田舎町で指を切り落とされた女性の死体が見つかる。これは連続殺人だと死体や犯人に固執する17才のジャズ。それには訳があった。ジャズの父親は124人もの人を殺した殺人鬼で服役中であり、しかもあろうことかその父親から殺人の英才教育を受けたジャズ。父の様にはならないと思うも、ふとした心の隙間に殺人への誘惑が忍び寄る。父への憎悪と憧憬がない交ぜになり葛藤するジャズ。そんなジャズを支える親友と彼女が良い。ジャズの心の機微が丁寧に描かれていて面白かった。次も期待。2017/01/25

セウテス

93
【さよならシリアルキラー3部作】第1弾。伝説のシリアルキラーの息子に生まれ、父の逮捕により今までの生活が一変した青年ジャズの成長物語。自分もいつか父の様になるのではという恐怖を心に持ちながらも、気のいい友や彼女、保安官らに支えられ、彼は普通でいようと努力する。彼の住む田舎町で起こった殺人事件を、父の教えから連続殺人鬼の存在を嗅ぎ取り、事件を止めようと奔走するサスペンス。17歳の青春として爽やかさも感じられ、若さゆえの放漫さや血生臭さもしっかりと描いており、加害者家族の問題としても絶妙のバランスだと思う。2022/11/03

seacalf

77
YA物が読みたくて手に取った。 思い悩むジャズに共感出来たらページをめくるのも早くなる。『本当に人のことを気にかけているのか、それとも、そのつもりでいるだけか。』 シリアルキラーというより、魔王に近い存在だな、このパパさん。果たしてこの先ジャズは自分の能力を転生させることが出来るのか、ちょっと続きが気になるところ。2016/02/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9687930
  • ご注意事項