角川文庫<br> 末枯れの花守り

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紙書籍版価格 ¥565
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角川文庫
末枯れの花守り

  • 著者名:菅浩江【著者】
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • KADOKAWA(2015/05発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784044120078

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内容説明

初めて植えた朝顔に、男への想いを託す今日子。だが、最初の一輪が咲いた時に知り合った圭二郎から連絡が絶えてひと月になる。彼女の心が限界に近づいた時、永世姫、常世姫と名のる艶やかな和装姿の女たちが現れた…

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カナン

53
寂として我が身のすぐ傍に或る異界から、現世へとしなやかに伸び咲き綻ぶ花の傲然とした美しさ。人の心を花に変え蒐集したがる艶やかな姉妹と、それを阻止する謎多き花守りの青年。夜明けに目覚める朝顔、夕映えの赫奕たる曼珠沙華、雪中の寒牡丹、色風に揺れる山百合、神木の松に寄り添う梅。生者必滅、花は咲いて畢ることが必定。それ以上を望み希ってはならない。何故ならば花は人の心を容易く奪えてしまうから。姫君達のお召し物、歌舞伎に和歌。目が眩むほど絢爛豪華で、咽返るような花気に包まれた心地になる私の胸に咲く花は果たして何色か。2017/04/30

井月 奎(いづき けい)

35
鏡の如き泉にうつる花はどれも夢幻か。花が願わず咲くこと、それは徒花。花は命の限りを尽くし咲くのであるから人は酔い蝶は舞う。酔狂な美姫は邪に逆しまに美を愛でる。妙なる香りも重なり濁れば咽るばかり。主人の花を守れなかった者たちはとこしえに身を焼き心を砕くが安寧は訪れずに、花追い旅を行脚する。主従の隠した涙こそ花そのもの。主従が思う心こそ花そのもの。刹那に咲く朝顔、地下でつながる曼珠沙華、百花の王牡丹、風に揺れる百合も咲き、また枯れてこそ、心の中で永遠の安らぎを得る。人もまたそうなのだ。2016/05/22

びっぐすとん

10
108円本。表紙の絵がなんだかおじさんが好きなエロ小説みたいだな、と思ったが、内容は菅さんらしい美しくも妖しい世界。『メルサスの少年』が若年層向きのファンタジーならこれは間違いなく大人のファンタジー。花に想いを掛け過ぎたことで美しい姫君たちに永遠のコレクションにされてしまう人々を助ける日照間とその臣下たち。どうも時実や姫君たちがどういう存在なのかわからないし、日照間の妻・朧に何があったのかがハッキリしないので最後まで読んでもスッキリしなかったが、帯にある「泉鏡花だ!」ってのはわかる気がする。2017/08/26

那由多

9
泉鏡花のよう、と評されることが多いいが、私は始終栗本薫を読んでいるような錯覚をおこした。栗本薫の伝奇ものファンタジーから、不気味さと汚濁を取り除いたような感じ。花と心と永遠と滅びをテーマにした妖しく美しい幻想は、豪華絢爛なのに物哀しさ漂い、贅沢なのに慎ましく素敵。「曼珠沙華」と「老松」はとくに秀でている。2017/09/22

藤森かつき(Katsuki Fujimori)

8
闇の描写と対比するように絢爛豪華な衣装の描写が美しく、現実と異界との違和感をより際立たせているよう。永遠を司る姉妹が言ってみれば悪役で、滅ぼす側の鬼と呼ばれる者たちが救う側であるのが面白い。花のひんやりとした感触に重なる追い詰められた女の子の魂。個人的には寒牡丹、山百合が好きかな。短編集かと思ったけれど、物語自体は繋がっていて、老松での展開も心に響く感じだった。無表情で静かで麗しい時実の苦悩が印象的だった。2018/12/02

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