内容説明
一時は四国一円を平定し、全国に武威を轟かせた土佐の戦国大名・長宗我部氏。その強豪が歴史の渦に巻き込まれ消滅した史実を、最後の当主・盛親の生涯から辿る大河小説。一族の骨肉相食む争い、非情な粛清、そして滅亡。歴史小説家・近衛龍春が膨大な史料をもとに奏でる長宗我部氏の鎮魂歌。文庫書下ろし
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シン
10
はるか昔司馬作品で「夏草の賦」や「戦雲の夢」を読みました。今より知識も浅く、ストーリーを思い出せませんでした。今回先に近衛作品における長宗我部盛親の方を読んでしまいました。父の長宗我部元親が先に描かれているのを知らずに。でも司馬作品を読んだ時より人物関係もよくわかり、楽しめました。これを機に司馬作品ももう一度読みたいです。しかしNHKで近年あまり名の知れてない方を主人公に大河ドラマを製作する傾向がありますが秦の始皇帝を祖とするといわれている長宗我部家を題材にしたら面白い作品になるのではないでしょうか?2015/06/25
future4227
6
同氏の『長宗我部元親』の続編的な内容。あまり注目されない長宗我部盛親を描いている点で興味深い作品。上巻では小田原征伐の際の海からの攻城戦や朝鮮出兵での海戦、地上戦が細かく描かれていて、よく知っている合戦にもかかわらず新鮮な興奮を味わえる。いつもちょっとマイナーな武将や合戦を描く近衛さんのおかげで、戦国時代の世界が更に広がる感じがする。2015/04/09
Ryuji
5
★★★★☆土佐・長宗我部家最後の当主・盛親の生涯を描いた小説。上巻は盛親幼少期から関ヶ原前夜まで。信親亡き後、何故四男である盛親が当主となったのか?この本では信親の娘・香姫に一番歳が近かったこと(※盛親の正室が香姫)と、次男・親忠が秀吉に近く元親がそれを嫌ったこととなっているが果たして真実はどうだったのだろう。関ヶ原では元々の意思とは反して西軍についてしまったあたりは、偉大の父の二代目ボンボンという感じも受けるが決して暗愚な人物では無いと思う。上巻だけで500頁を超えるが、読み易くあっという間に読めた。2015/11/25
しょん
3
長宗我部盛親に焦点を当てた本。Wikipediaにも記述が少ないような津野親忠のような武将などの描写も多く大変面白い。 結末を知っている武将だからこそ楽しめる本。2015/04/13
ポニョ駅長
3
かつて四国を席巻した長宗我部元親の後継者・盛親の物語。 将来を嘱望された嫡男・信親の戦死により、兄たちを押しのけて四男・盛親が指名を受けたことが家中で波紋を呼ぶ。 実質的に陣代として、信親の血縁を次代に伝える役目と位置づけられたことへの葛藤が同じような立場だった武田勝頼との対比を用いて描かれています。 また、あまり触れられない三兄・津野親忠の感情の動き・政策、兄弟の確執も見所です。 上巻 … 信親戦死 ~ 西軍参陣2015/03/22
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