内容説明
死体を燃やす殺人鬼・フレイムに妹を殺された天弥山紫郎(あまやさんしろう)は、音が見える探偵・音宮美夜(おとみやみや)と捜査に乗り出す。美夜は殺意の声を見てフレイムを特定するも、動機がわからない。一方、山紫郎は別の人物を疑い……。ホワイダニット(動機のミステリ)の新たな金字塔が登場! 第43回メフィスト賞受賞作を全面改稿。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カノコ
39
死体を燃やす殺人鬼・フレイムに妹を殺された山紫郎は、音が見える共感覚を持つ美女探偵・美夜と共に捜査に乗り出す。なぜフレイムは人を燃やすのかというホワイダニットが主題。取ってつけたようなキャラクターたちに愛着を持てないからか、軽いタッチにも関わらず読むのにひどく苦労した。しかし、確かにこの動機は思いも寄らなかったし、意外性があったのは事実。ただ、終盤に次々に飛び出す異能力の数々に、インフレが凄まじいバトル漫画の設定のようだ…と呆れてしまった。良くも悪くもメフィスト賞らしい作品。2020/01/06
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35
表紙買いのわりにかなり好みの作品でした。動機のミステリを読むことがあまりなかったので、犯人がわかっているのにどんな衝撃があるのだと疑っていましたがまさに「やられた。戦慄えた。」でした。美夜が見ている世界は表紙の様な綺麗な世界ではなく、もっと悲しみや苦しみに満ちているのでしょうか。本作では青・紫・赤のマイナス感情しか見られなかったのですが、幸せな声も美夜には見えてるのでしょうか。ラストでは彼女の孤独や悲しみが垣間見えてしまった終わり方だtったので続編が出ること、そして彼女が心から笑えることを願います。2013/08/31
ヒロユキ
34
再読。やっぱり動機が非常に強烈。普通に考えて思い付きそうにもないホワイダットを、シリーズやキャラクターの特性をうまく作り込んできているのでギリギリでアリのレベルにしてしまっていっている絶妙さ。2013/07/27
coco夏ko10角
32
死体を燃やす殺人鬼・フレイムによる連続殺人事件。この動機は予想してなかった、ホワイダニットを重視しない自分でもこの本は面白かった。音宮美夜が登場する他の作品も読んでみたい。2017/02/26
もち
31
「初めてかもしれない。誰かの声に、こんなにきれいな蒼を見たのは」◆遺体を燃やす連続殺人鬼・フレイムに妹を殺された山紫郎は、「音が見える」という共感覚を持つ探偵・美夜と独自に調査を行うことになる。美夜は早くも犯人の目星を付けるが、動機がどうしても分からない――■ホワイダニット【何故殺したのか】を追求したミステリ作品。奇矯だが実に腑に落ちる真相に注目。これを予想できた人は皆無に等しいのでは。メフィスト賞受賞も納得。2014/08/31