出版社内容情報
初期瑜伽行派で最大の文献『菩薩地』に唯識思想の淵源を求め、従来注目されてこなかった事物と分別に関する思想に焦点を当てて、五事説や『二万五千頌般若経』『解深密経』『大乗荘厳経論』『中辺分別論』『唯識三十頌』への展開をたどる画期的な入門書。
内容説明
なぜ言語表現し得ないはずの事物に名称が付与されるのか。分別と事物の関係に焦点を当て、『菩薩地』から『瑜伽師地論』『解深密経』『中辺分別論』『摂大乗論』『唯識三十頌』への展開を読み解く画期的な唯識入門。インド仏教を思想別に解説した入門書“シリーズ思想としてのインド仏教”第3弾!
目次
序章
第1章 『菩薩地』「真実義品」―言語表現し得ない事物(vastu)
第2章 『瑜伽師地論』「摂決択分」(一)―五事説
第3章 『瑜伽師地論』「摂決択分」(二)―三性説
第4章 「般若経」「弥勒請問章」の思想―五事説と三性説の接点
第5章 『解深密経』―事物(vastu)、三相説、アーラヤ識、唯識
第6章 『大乗荘厳経論』―相と真如と転依
第7章 『中辺分別論』―虚妄分別と空性
第8章 『摂大乗論』―アーラヤ識の存在証明
第9章 『唯識三十頌』―唯識思想の体系
第10章 結びにかえて
著者等紹介
高橋晃一[タカハシコウイチ]
1971年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)(東京大学)。現在、東京大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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