内容説明
叔父・項梁の戦死後、反乱軍の全権を握った項羽は、鉅鹿の戦いで章邯将軍の率いる秦の主力軍を破った。一方、別働隊の劉邦は、そのすきに先んじて関中に入り函谷関を閉ざしてしまう。これに激怒した項羽は、一気に関中になだれこみ、劉邦を鴻門に呼びつけて殺そうとするが……。勇猛無比で行く所敵なしの項羽。戦さ下手だがその仁徳で将に恵まれた劉邦。いずれが天下を制するか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
381
張良や韓信といった漢軍エース級が続々登場し、先への期待感は膨らむものの、終盤までひたすら項羽を恐れて、逃げと籠城を繰り返す劉邦の図が繰り返され、案外と展開に起伏がない。最後の二章『陳平の毒』と『紀信の悪口癖』あたりから、じわじわと漢の逆襲が匂い立ち良い引きになっている。彭城に入ってからの劉邦の駄目っぷりが凄まじく、人格面を見ても読んでいて呆れるばかりになるが、そこから巻き返せたという事実自体がひとつの教訓話。大器を感じるような感じないような、絶妙なラインの描写。下巻は戦場面の連続になりそうで楽しみ。2021/07/06
mariya926
144
まったく基礎知識がないので難しかったけど、面白かったです。大陸のリーダーはこんな人がなれるのかという目で読みました。何より裏切り者でも使うという人を見る目、人を使う器が必要ですが、時代の流れというか運も重要なんだなと思いました。返却期限があったのでかなり頑張って読みました!!後一冊!!2023/02/21
いこ
111
楚の懐王の言葉「先に関中へ入る者を関王とする」を受け、項羽軍・劉邦軍は別々に関中を目指す。先着は劉邦軍。しかし、失策から後着の項羽を怒らせ、降伏。漢中を与えられ漢王となる。ここから漢(劉邦)と楚(項羽)の度重なる激闘が始まる。項羽は、強いけれど残忍で、敗兵等を生き埋めにするのが趣味。一方の劉邦は、いくさはまるで駄目だけれど、どこかかわいげがあり人に好かれる。このどちらが天下をとるかは下巻へ。歴史モノ、少し慣れてきたぞ。何日も読んでいたこの本が、子供の頃から親しんできた絵本みたいに、とても好きになった。 2020/12/19
ゲンキ
108
いよいよ、項羽(楚軍)と劉邦(漢軍)の戦いが始まります。項羽はめちゃくちゃ強いです。劉邦はめちゃくちゃ弱いです。中巻では結局、劉邦が籠城していた城から逃げるところで終わります。人の登用の仕方が2人では全く違いますが、それが最終巻でどう影響してくるかが、楽しみです🙋2022/01/09
いこ
103
最初の30頁程は、上巻と同じで読めない漢字が気になって、膨大なメモを残しながら読む。でも、気づいたら「あれ?」メモもとらずに150頁程の所に辿り着いていた。物語が動き出したからだろうか?歴史モノの先輩が仰るように、よく出てくる名前は記号みたいに頭の中を流れていく。あれれ?難 漢字もあまり気にならないなぁ、と思っているうちに読了。しかし、一番前の方、漢字ばかり気にして内容がよくわからなかった、前半だけ読み返そう、と思ったら、まさかの全頁二度読みをやってしまった。再読レビューへGO!2020/12/13