内容説明
ワーキングプア、無縁社会、孤独死、引きこもり、自殺者年間3万人超など、気がつけば世界はとてつもなく残酷。だが、「やればできる」という自己啓発では、この残酷な世界を生き延びることはできない。必要なのは、「やってもできない」という事実を受け入れ、それでも幸福を手に入れる、新しい成功哲学である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
72
前職で仕事の関係上、色々な自己啓発本を読んできました。また社員教育、自己啓発セミナー等に関しても受ける立場、教える立場共に色々と経験してきました。けれどもこういうものに対して、心の底ではどこか懐疑的な自分がいたのですね。何故自分が懐疑的に思っていたのか旨くは説明出来なかったのだけれど、この本を読んで「そう、そう、こういう事だったのだよ!」と思わず実感!アマゾンに「良書。100冊の自己啓発本に勝る」と言うレビューがありましたが、いたく共感。そんな事を抜きに1冊の書物としても面白かった。⇒2017/03/25
パフちゃん@かのん変更
71
著者曰く、すべては遺伝子次第で努力しても能力は増強できないし、わたしは変えられない。引き寄せ本とか大好きなんですけど。他人の心を操る方法が書かれていた。たとえばお返しの力、権威を利用、希少性、好意、社会的証明(みんなが)、コントラスト効果など。伽藍(会社など)を捨ててバザール(参加も撤退も自由な市場)に向かえ。人気が集中している商品は恐竜の頭、人気がそれほどでもない商品がロングテイル。好きなことを仕事にし、収益化の仕組みを自分で設計する。新時代のサービスを利用して幸福の可能性を見つける。2016/07/12
ひと
31
前半は「言ってはいけない」と重なるところも多い導入になっています。勝間vs香山の考察はやっぱり面白い。中盤以降の騙し騙されの論理では、積読本になってしまっている「影響力の武器」のエッセンスが紹介されていて参考になりました。終盤の、進化心理学に基づく幸福の考え方は自分にとっては新しい視点で、少しモヤモヤが晴れてきた感があります。伽藍を捨ててバザールへ/好きなことで評判を獲得して幸せに/グーグルやアマゾンなどのインフラを使って収益化の仕組みを設計しよう。可能性を信じ、自分にふさわしいニッチを見つけましょう。2016/12/13
saga
28
著者の論理展開が好きだ。本書はまさに残酷だ。個々人の能力は持って生まれたもので、自己啓発には限界がある。そして自分というものを変えることも困難。ならば、周りを変えるしかない。その方法は……伽藍という閉じたムラ社会を捨て、バザールという開けた空間を目指すこと。情報化社会がロングテールに経済的な可能性を生み出したのだ。2018/07/27
chiseiok
19
世にあふれる「やればできる」自己啓発本。…そんな中で、本書は「やってもできない」ヒト向けの救済本というべきなのかな?序章の勝間和代vs香山リカのバトル話に興味もって衝動買いです。あと”50の方法”とか”7つの習慣”じゃなくて方法は”たったひとつ”だったし(^^;。切り口も面白く、オチも納得でしたが、目からうろこ!…的なインパクトはなく、まぁ順当にそりゃそーだよねと感じられるものでした。でも、結論『伽藍を捨ててバザールへ向かう…恐竜の尻尾のなかに頭を見つける…』これ、”たったひとつ”じゃないですよね(笑)。2015/05/15