内容説明
30年の時を経て、息子と娘の見合いの席で再会した2人。しかしそれは呪われた宿命が動き出す瞬間だった。また縁談のために崇に捨てられた宣子は、彼への復讐を決意する。野望と愛憎が交錯する2世代の男と女。現代版・華麗なる一族を壮大に描く長編小説。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
304
小賢しく立ち回るも、権力者の圧倒的な力の前に袋叩き状態の宣子から始まる下巻。汚い嵌められ方をしたのも事実だが、仕事が手につかなくなったのと、弟の事故は誰のせいでもない。崇はもう登場時の印象は残っておらず、ひたすらダメンズと化している。三奈ママが生来の腹黒さを全開に暗躍し始めるが、そちらは空回り感が凄い。等々、いよいよ浅ましさがピークに達した瞬間に、現実ともリンクした政治劇を絡めて、ちょっとした脇の甘さからあっという間に足を掬われ、破局の余韻を残して先を期待させる終幕。すぐに続編に取りかかろうと思う。2020/04/21
gonta19
122
2010/8/12 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2021/7/24〜8/2 ドロドロした出世や権力に固執する人たちの話は、あまり読んでいて気持ちの良いものではないな。しかし、最後に一波乱起こして、終わるとは、なかなかの展開。確か続編が血戦のはず。どうなるんだろう。2021/08/03
ユザキ部長
70
やはりその手段できた。全ては夢のためであったのに懸案事項が増えてしまった。夢のために障害を政争の道具に企むもの。堕胎という殺人を計画するもの。不退転の覚悟の先にある、あと一歩。2020/08/27
背古巣
37
「え!?ここで終わり?」この先は続編でということですか?青春時代での過ち(?)のため苦しむ三奈。思いはわかりますが、やっていいことといけないことがありますね。障害をもった子供が生まれてくる可能性が高いとなれば、極力避けようとするのはわかりますが・・・。権力が近くなればなるほど人は貪欲になるのですね。続きも機会があれば読んでみようと思います。2018/01/30
いくら
25
いろんな教訓が詰まってると思ったけど、特に他人の恨みを必要以上に買ってはいけないということ。他人の強い悪意の前では誰もが無力に等しい。追い詰められた者が一矢報いようとするエネルギーがいかに恐ろしいか想像力を持たないとならない。とにかく面白かった。続編が楽しみ。2014/07/05