内容説明
現場に到着したフェル博士の目の前で、死体は広々とした浜辺の真ん中に横たわっていた。背後から鈍器で殴られたらしく、頭の右側がつぶされている。濡れた砂には被害者自身の足跡が残るのみ……犯人は宙に浮いた状態で凶器を振るったとでもいうのか? 南部の邸宅で起きた謎めいた殺人事件。当主一族に伝説として残る百年前の惨劇が現代に再現された!名探偵フェル博士の慧眼が、最後の最後に見抜いた意外な真相とは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
9
カー作品の欠点が如実に現れた作品。まず風景描写が非常に独り善がりで単に説明的であり、読者に伝えようという気がしない点。敷地のレイアウトを付けてくれると非常に助かるのだが・・・。そしてやはり一番大きいのが機械的トリックを説明しているのにそれが図解されていない事。はっきり云って十分理解しているとは到底思えない。これは正に推理小説のカタルシスであるから致命的だ。ただ今回もなかなかに面白い趣向が凝らしてあった。人間というものの不思議さ―特に趣味趣向の多彩さ―に後期のカーは結構魅せられていたのだと思う。2009/08/27
ホームズ
6
フェル博士最後の事件。やはり後期のカーということで長い割には質が落ちてしまったかな。2007/07/10
kagetrasama-aoi(葵・橘)
5
正真正銘、初読。フェル博士最後の事件……という副題。カーが亡くなって結果的に最後の事件になっただけで、特に最後だからどうこうという趣向はなかったです「。魔女の隠れ家」からずーと読んできましたが、数えるとこの時フェル博士81歳。初登場をもう少し年齢下げても良かったですね。内容的には、長くてあまり楽しめませんでした。でも、ヘンリーとマッジの心情には最後心が震えました。若いころ読んでも共感しなかったかも。最後の事件はイギリス物を読みたかったです。2014/10/05
IamG
3
フェル博士最後の事件と書かれているが、カーが死んでしまったから最後の事件になっただけのように思う。これほど厚いのに面白くないミステリも珍しい。
いちはじめ
3
「フェル博士最後の事件」というのが副題でセールス・ポイント。いや、確かにそれくらいしかアピールするとこないかも。2004/09/12




