内容説明
「わからないことは、恥ずかしいことじゃない」。時計も漢字も読めず、支援学級に通うかっちゃんの毎日を一変させたのは、心と体の両方を、目いっぱい使って教えてくれる、熱血漢過ぎる先生だった。おかあちゃんにも怒られてばかり、みじめな毎日に負けそうになっていたボクに奇跡を起こした出会いと成長の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
79
最後は目が潤んだ。著者の体験に基づく実話みたいだけど、父方の親戚をあんなに口悪く書いてしまっても軋轢は生じなかったのだろうか。そこだけ作り話?2017/04/08
はつばあば
75
戦後まもなく…かっちゃんより年上の私。今思えば私も発達障害だったのだろうか・・。父も母も・・弟達でさえオール5以下など有り得ない!と言うのに私は時計が苦手だった・・未だに足し算も引き算も嫌い。婿殿のお陰で娘が出来のいい子に育ったとわかった時、母の姉・伯母が「あら、はっちゃんも賢かったんやね」と。母からさえも「この娘は預かり者で・・」みたいな事を言われていた。この本を読むまで私が発達障害であったなんて思ってもいなかった・・。私には森田先生はいなかったけれど、肢体不自由児という多くの友達が人生の指針となった。2017/02/28
パフちゃん@かのん変更
68
実話です。小5で森田先生がいる学校に転校するまで、著者は名前もちゃんと書けず、計算もできず特別学級に通っていた。転校した学校には特別学級がなく先生は春休み中かっちゃんに勉強や運動を教えてくれた。先生は決して叱らず、かっちゃんに分かるように教えてくれた。「ものを覚えるには頭でなく、体で覚えること」「あきらめないこと」「考えることの大切さ」かっちゃんは6年生ではオール5で児童会長に選ばれ卒業式に答辞を読む。用意した答辞ではなく自分の気持ちを。発達障害だったのだろうか。奇跡の物語、心が洗われます。2017/03/14
ぶんこ
68
生涯の恩人となるような学校の先生に巡り会えたお話は大好きです。 しかも著者の実話だけに、森田先生に巡り会えて本当に良かったですねと拍手したい気分です。多分発達障害と思われる病気で、時計も読めず、文字も算数も運動も出来なかった司君。理解してくれる大人はおばあちゃんだけ。転校先の5年生になる春休み、森田先生に出会い、「勉強は考える事の手助けになる道具」と教えられ、初めて勉強する意味を理解し、国語、算数、跳び箱や逆上がりのコツと、努力する意味を理解してからの(かっちゃん)の変わりようが素晴らしい。感動しました。2016/03/16
おかむー
64
前半ではかなーり苦しかったものの、全編を通してみればとてもよい作品でした。『よくできました』。“はじめに”と題されたまえがきで「小学校五年までの記憶のほとんどがない」と書かれている割には、本文に入ると一年生の時点から理路整然とした主人公・かっちゃん本人の視点で物語が進むことにかなりのひっかかり。五年生になるまで読んでるだけで欝になるかっちゃんの境遇にげんなり。とはいえそれも森田先生との出会いから劇的に変わるかっちゃんの姿、ラストの答辞では目頭が熱くなったものです。まぁ前半後半で変わり“過ぎ”感もあるけどネ2015/02/28