内容説明
春めく、青嵐、錦秋、なごり雪…。本書は、四季を豊かに楽しむ美しい日本語で、季節をめぐっていくもの。「365日、四季折々に口にしてみてください」といったメッセージを込め、古来から続くことばを単なる知識ではなく、普段の生活で使うものとして紹介しています。3月は「春めく」と「水温む」、4月は「花霞」と「ひこばえ」といったように、ひと月ごとにことばを展開。その月の自然や生活を表すことばを、イラストと一緒に綴っていきます。監修は元NHKアナウンサーの山根基世さん。時代を超えてなお伝えていきたい“ことばの本”です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
17
改めて、「ことのは」という言葉を思い出した。本当に、日本語は繊細な、たおやかな言葉だと思う。耳にしたことのある言葉がかなりあったが、それ以外の言葉も含め、光景が目に浮かぶだけでなく、五感に響くものがある。それぞれの季節ならではの言葉。観る、書く、声に出す・・・いろんな手段があり、それぞれの響き方も微妙な色合いの違いがある。こんな言葉を、さりげなく置いておくことで、かえって、写真や動画以上に、相手に伝わるものもあると思う。相手に委ねる部分があればあれだけ、深みも増すのではないだろうか。2015/07/18
MOTO
4
この本の中のことばは会話より俳句で見かけるほうが多い気はする。でも、でもいいなー。さらっとこんなことばが会話の中に出てきたら…と、言うか、ことば達が出られるきっかけがある会話自体が素敵だな。季節を楽しむ心のゆとりって大事。2019/01/22
みずうみ
2
手元において折々に開きたい本。字面や響きが美しい言葉は、心に余裕を生む気がする。「あーあ雨やだなー」とぼやいて憂鬱になるよりも、糸雨(しう)や銀竹など美しい名前をあてはめて自然を楽しみたい。2015/05/30