内容説明
明るいけれど少しかなしい青春私小説。
東京の下町・小岩のボロアパートで友人たちと共同生活を送っていた二十三歳のシーナマコトは、ある日見た新聞の求人広告がきっかけで、小さな業界新聞社の編集者になった。
入社した百貨店ニュース社は、新橋西口通りのずっと先にあるビルに入っており、そこで出会った怪しく個性的な人物たちと、シーナは仕事、酒、賭け事という怒濤のサラリーマン生活を送る。そして恋の挫折も経験したシーナに訪れた、ひとりの女性との決定的な出会い・・・・・・。
『哀愁の町に霧が降るのだ』に続く自伝的青春小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかつや
8
昭和の中小企業小説。デパート向けの業界新聞を作る会社に入社して、初めてのサラリーマン生活を送ることになったシーナさんの日常。読んでいてなにが面白いというわけでもないがこの、今よりもなんとなく社会の仕組みが緩やかで適当で、そのかわり人の結びつきがもう少し緊密で、それが頼りになって楽しくもあり、でも厄介で煩わしくもあるっていう雰囲気、なんとなく覚えがある。昭和だ。子どもの時に経験しただけだけど。ノスタルジーを覚えないでもないが、それでもあのころに戻りたいって気にはならないかな。今の方が人付き合いが気楽でいい。2018/12/29
まあ
7
再読。椎名誠はちゃんと強がらずに、自身を情けなく、頼りなく、臆病に書くから好きなんだ。 だからずっと愛してられるし、ずっと読み続けられる。 2018/12/23
uusak
7
昭和の青春。日比谷公園で昼休みにバレーを楽しんでいる本当のサラリーマンたちを羨ましく横目で見ながらも、それなりに楽しく充実した日々ではなかったのではないでしょうか。でも、それは後で振り返っているから言えることではありますが。2015/09/26
やす
6
銀座のカラスと同じような世界観。高度経済成長期なのかな、出てくるみんながほどほどに頑張っていて、それでも会社が回っていて、いい時代だなと思った。同時に、まともに働かなった彼らのせいで今の日本がある思って、少し怒りを覚えた。2018/11/06
たか
6
椎名誠の本の中で一番好きな作品。著者の自伝的小説。日本の元気な時代の古き良きサラリーマン物語。 確かNHKのドラマで放映されていたと思うが、ドラマも毎回楽しみにしてました。A評価2017/10/25
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