文春文庫<br> 黄蝶の橋 更紗屋おりん雛形帖

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文春文庫
黄蝶の橋 更紗屋おりん雛形帖

  • 著者名:篠綾子
  • 価格 ¥753(本体¥685)
  • 文藝春秋(2015/03発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167903008

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内容説明

五代将軍綱吉のもと、元禄文化が花開く江戸。京の呉服商「更沙屋」の一人娘・おりんは、親も店も失い、浅草今戸に住む叔父夫婦と長屋で通い奉公をしながら細々と暮らしている。いつか更沙屋を再建することを夢見て――。
そんなある日、更沙屋を建て直すために貯めたお金を、叔父の善次郎が黙って持ち出してしまう。理由を問い質すと、江戸を騒がせている犯罪組織「子捕り蝶」に誘拐された飛松という7歳の少年を助けるためだという。飛松は、小僧として働いていた奉公先の大黒屋の息子とともに誘拐されたが、大黒屋の主人は息子の身代金しか支払わなかったため、飛松は帰ってこなかった。飛松の命が危ないと知った善次郎は、飛松救済のために大黒屋に誘拐組織に渡してくれとなけなしのお金を持参して頼み込むが、自分の息子が戻ってきた今となっては飛松の命などどうでもよいとばかりに断られてしまう。
父親は借金を残して死に、姉は吉原に売られるた飛松。事実を知ったおりんは、飛松奪還のために奔走する。ところがそこには上州沼田藩主、真田信利の圧政に苦しむ領民の姿と藩政を揺るがす大きな事件が……。
史実にもある沼田藩改易事件をもとに、松尾芭蕉や新井白石、大老・堀田正俊、杉木茂左兵衛門といった実在の人物が重要なストーリーテラーとして登場し、史実とフィクションが入り混じった人間ドラマも読みどころのひとつ。華やかな大名家の生活を描く一方で、増税にあえぐ貧農の悲しい運命にもスポットを当てています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ユメ

37
前作『墨染の桜』を読んだときも「これは面白いシリーズと出会った」と興奮しきりだったが、二作目の本書を読んで、鉱脈を掘り当てたような思いになる。おりんの更紗屋再興を目指す過程が今作では真田家のお家騒動と絡められ、読み応え抜群だ。真田の分家沼田藩の松姫の元で奉公することになったおりん。まだ幼い飛松、己の命を賭けた茂左衛門、そして松姫、まるっきり立場の異なる者たちそれぞれの「義」が、おりんの針仕事によってやがて一本の太い糸へと縒り合わされていく展開が見事で、ラストシーンで舞う黄蝶がくっきりと瞼の裏に焼きつく。2017/12/05

はにこ

31
またもや善次郎が金をくすねたかーっと思ったけど今回はちょっと違った。疑ってゴメン。飛松はまだ幼いのに良い子で偉い。今回は沼田藩のいざこざに巻き込まれるおりん。真田氏や芭蕉が実在した人物なのはもちろんだけど、茂左衛門も実在した人物だったとは!葉室麟先生の解説が素晴らしかった。2021/06/17

豆乳くま

28
おりんシリーズ第二弾。京の店を閉店に追い込まれ父も亡くし叔父を頼って江戸へやって来たおりん。類稀な針の腕で様々な出会いに更紗屋復興の夢に向かう。今回はさる大名家の騒動に巻き込まれそうになる。義と儀。悲しい覚悟と信念の人。大名家の奥方の悲壮な覚悟に寄り添えたりんが、恋心と共に成長!そうこなくては!セオリー通り(笑)でも安心して読め楽しい。2015/08/04

たち

27
「難波津によそひよそひて今日の日や 出でてまからむ見る母なしに」この歌が忘れられないと言った、おりんちゃんの「装う」ことの意味~新しい自分になる準備~が心に響きました。二冊めになって、俄然、面白くなりましたね。はまりそうです。2016/04/15

いつでも母さん

26
やはり皆さんも同じこと感じてましたねぇ。そうなんです。『みをつくし料理帖』とダブるのですよ~(汗)よって、紆余曲折の後大団円を迎えるであろうと想像してしまうが(笑)まだ2巻目につき次巻を待ちたい。まぁ、こう云うの私は嫌いじゃないので・・2015/04/10

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