岩波新書<br> 農山村は消滅しない

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岩波新書
農山村は消滅しない

  • 著者名:小田切徳美
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 岩波書店(2015/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004315193

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内容説明

増田レポートによるショックが地方を覆っている.地方はこのままいけば,消滅するのか?否.どこよりも先に過疎化,超高齢化と切実に向き合ってきた農山村.311以降,社会のあり方を問い田園に向かう若者の動きとも合流し,この難問を突破しつつある.多くの事例を,現場をとことん歩いて回る研究者が丁寧に報告,レポートが意図した狙いを喝破する.

目次

目  次
   はじめに

 序章 「地方消滅論」の登場

 第Ⅰ章 農山村の実態──空洞化と消滅可能性
  1 進む農山村の空洞化
  2 強靱な農山村集落
  3 農山村の展望──増田レポートを考える

 第Ⅱ章 地域づくりの歴史と実践
  1 「地域活性化」から「地域づくり」へ
  2 「地域づくり」の体系化への挑戦
  3 地域づくりのフレームワーク
  4 地域づくりの三つの柱

 第Ⅲ章 地域づくりの諸相──中国山地の挑戦
  1 地域づくりの先発事例──山口県山口市仁保地域開発協議会
  2 新しいタイプの地域づくり
  (1) コミュニティによる住宅整備──広島県三次市青河地区
  (2) 新たな「村」の創造──岡山県津山市阿波地区
  3 なぜ、中国山地か──事例の位置づけ

 第Ⅳ章 今、現場には何が必要か──政策と対策の新展開
  1 補助金から交付金・補助人へ
  2 支援主体のあり方
  3 新しい政策の位置づけ
  4 「補助人」の役割と課題

 第Ⅴ章 田園回帰前線──農山村移住の課題
  1 田園回帰の今
  2 農山村移住の実態──「あったかく」「かっこいい」地域へ
  3 農山村移住への支援策
  4 農山村移住の課題

 終章 農山村再生の課題と展望
  1 消滅しない農山村の仕組み
  2 政策論議の争点──農村たたみ
  3 都市・農村共生社会に向けて──国民的議論と選択
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

43
「地方消滅」への反論という意味で、深く調査がなされており、説得力があった。各地で続々と地域を復興・発展させるための取り組みが行われ、参加する若者も少なくない。やはりデータだけを見、ネガティブな判断を下すより、現場を実際に歩いて見てみないといけないだろう。2015/04/21

壱萬参仟縁

42
Amazonで品切れに。急きょ地方都市にて購入。小田切教授はYouTubeでの講演で田園回帰現象の意義を強調されていた。本書もその論点は第Ⅴ章で力説されている。小田切先生の図式は知っていたが(27、69頁)、特に後者の図式を乗り越える策を提起されているのが心強い。165頁の図4-1の集落再生のプロセスがそれである。先生はV字型回復のようではなく、U字型のように寄り添い型・足し算の支援と、初めて事業導入型の掛け算の支援が独創的である。極めておススメできる新書。2014/12/21

けんとまん1007

38
自分自身、地方の都市の、どちらかというと農村地帯に暮らしている。数年前から、声高に言われている限界集落、地方の市町村の問題について、どこかきな臭い部分を感じていたので、この本にたどり着けてよかったと思う。もちろん、安穏としていられるわけではないが、人が暮らすということを中心にしているのが素晴らしい。地方云々、人口減の中で、相変わらずの論調が気になっていた。そこでいわれる成長戦略の文字は、旧態然の発想なのだろうと思っているからでもある。2017/01/08

Mark

30
地域活性化から地域づくりへの変遷を踏まえ、地域振興の内発性、総合性・多様性、革新性を明らかにし、地域づくりのフレームワーク、柱を説いている。特に中国山地を具体的な事例として紹介し、農村再生のフロンティアとして位置づけ、そこにある特色、課題を明確にしている。経済という視点だけでは容易に解決できない問題点が多数あることがよくわかる、一方で価値観というものをどのように形成していくかということが非常に難しい課題であることも認識。今後に希望が見いだせる本でした。2015/01/25

たばかる

28
2014年、増田レポートに対する反発の中の一冊。本書では行政と自治体の財政的な支援の問題が取り上げられる。予算や政策などによって地域復興が行政によって舵取られるため、必ずしも地域住民の意向が反映されず、彼らの主体的な参加意欲が薄れるとして現行の状況を批判する。そして成功している事例として山口市仁保地区、鳥取県智頭町や島根県邑南町などの人口の社会増を挙げる。これらの地域の町づくりと増加しつつあるいわゆるIターン•Jターンの「田園回帰」の傾向のマッチが人口回復の兆しになると期待していた。2021/05/04

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