内容説明
セネカは、二千年前の古代ローマ帝国を生きた思想家です。ストア派の哲学者にして詩人・劇作家でありながら、政治の世界にもかかわって皇帝ネロの教育係を務め、最期はその教え子に自死を命じられるという、波瀾万丈の生涯でした。多くの哲学書簡やエッセイを残しています。本書「人生の短さについて」は時間の大切さがテーマです。人生は短いと嘆く人間は多いが、それは、その人が短くしているからだ、とセネカは言います。無意味なことにかまけていると、人生などあっという間に過ぎ去ってしまう、自分自身と向き合おうともしないで、年老いてから、まっとうな生き方をしようとしても手遅れなのだ、と。多忙なあまり自己を見失っている現代の私たちが、胸に刻むべき警句に溢れています。本書では、現代の日本人がすんなりと読み通せる、それでいて古典の風格を損なわない新訳をめざし、さらに文章を短く区切ることで、読了の負担を減らす編集を施しました。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
29
二千年前から今に至るまで人間の悩みなんてそれほど変わらない。人はどう生きるべきなのか。自分が生まれてから死ぬまでのほんの僅かに許された時間。決して無限に続くわけではなく、いつ終わるのかさえ定かではない与えられた時間をどう消費するべきなのか。太古からそうしたことについて洋の東西を問わず賢人たちが思考を重ねてきたんだと知ると少しだけ安心する。まず先人の言葉を知ろう。彼らの哲学を学ぼう。その上でこの宇宙で自分だけの思考を練り上げていこう。今この瞬間を大切に、愛を尽くして誠実に生きていこう。2019/09/13
ネジ
23
★★★★★ 古代ローマの哲学者セネカが自分のために時間を使わない人々を糾弾する内容。人は歳をとると叱られなくなると言うが、この本を読むといつでもセネカがしっかり叱ってくれるような感覚になった。 ①人生は短くなく、大半を無駄遣いしてる、特に他人のために時間を使っているだけに過ぎない。 ②自分の生き方を考える、過去の思想を学び過ぎ去った年月を自分の蓄えとすることが人生を長くする。 ③はいつくばって無数の恥辱にまみれ、ようやく栄光の頂点にのぼりつめたところで、自分の人生を生きていなかった事実に直面する。2023/10/28
魚京童!
20
歎いてもしょうがありません。2014/10/11
baboocon
19
古代ローマの政治家である哲人セネカが、いかに人が自らの手で人生を短いものにしているかを痛烈に批評している。他人のために自分の時間を無駄にしている者、また快楽に耽る者も悠々自適とはほど遠い人生を送っていると。2000年経っても人類の精神性は全く進歩していないなあと、耳が痛くなる本。2011/06/19
モルツ
17
古代ローマ帝国を生きた思想セネカが、時間の大切さを説いた一冊。自分にとって無意味なことにかまけていると、人生などあっという間に過ぎてしまう。時間は目に見えないから浪費しがちだけど、自分のために使える時間を計算すれば、いかに人生が短いか分かるはず。自分にとってなにが価値高い(幸せ)なのか、を考えて時間を使わなくてはいけない、と説いている。口語で話しているように訳がしてあるので読みやすい。短いのでさっと読める手軽さがおすすめ。2013/01/12
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