創元SF文庫<br> 完璧な夏の日 上

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創元SF文庫
完璧な夏の日 上

  • ISBN:9784488752019

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内容説明

1932年、突如として世界各地に現われた異能力者たち。ユーバーメンシュ――超人ともヒーローとも呼ばれる彼らは、第二次世界大戦を前に各国の情報機関や軍に徴集され、それぞれの能力を駆使して死闘を繰りひろげた。そして現在。戦時中にイギリスの情報機関に所属していたユーバーメンシュのひとりフォッグは、かつての上司と同僚に呼び出され、過去の回想をはじめる。レニングラード、ノルマンディ、ベルリン、そしてアウシュヴィッツ……やがてかれらは〈完璧な夏の日〉と呼ばれた少女にまつわる、歴史の陰に隠された事件の真相に迫ってゆく。新鋭の世界幻想文学大賞作家が放つ、最先端の“戦争×SF”。ガーディアン紙2013年ベストSF選出作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

132
歴史SFというかかなりのエンターテイメントのような感じです。私は途中で映画のシリーズのXーメンやアベンジャーズを思い出してしまいました。特にユダヤ人の緑のサボテン男などは超人ハルクを思い出しました。若干時代が現代や昔に戻ったりあるいは場所も様々な場所での出来事とかいろいろめまぐるしいのですが、楽しめます。この前半の最後のほうで書名のもとになる人物などが出てきて下巻が楽しみになります。2016/01/26

星落秋風五丈原

71
第二次大戦時、超人たちが枢軸国側と連合国側に別れて戦った影の歴史が、ある男の述懐によって明かされる。彼の名はFog=霧。そして彼を探しだした男の名はOblibion=忘却。いずれも存在が不確かな名前を持つ二人を呼び出した上司にFogが語るのは完璧な夏の日と呼ばれた少女との出会い。それにしても、「バランスが大事」と上司が言うが両サイドにバランスよく超人を配するのはいたずらに戦争を長引かせることにならないか。ワイルドなFogと紳士的なOblibionの対照的なキャラがBL的には萌えるのかな。2016/09/02

harass

55
歴史改変SF。様々な能力を持つ者が世界中に出現し、第二次大戦で活躍する。主人公フォッグは英国出身で、スパイ活動を中心に活躍するが、すでに戦争が終わったはずの現在、呼び出しがかかる。彼が愛した女性能力者「完璧な夏の日」のことだった… コミック原作者らしい神視点にちょっと戸惑ったが慣れる。米国やナチス側にも異能者がでてくるがいろいろ苦笑。いろいろ楽しみながら読み進めて下巻に。2023/06/18

HANA

51
もしもX-MENみたいな超人が第二次世界大戦時に存在したら。現在から過去を回想するという形式なので、最初は次から次へと場面が転換し戸惑った。ただその形式に慣れた途端、内容に引き込まれる事請け合い。一応超人同士の戦いが描かれているのだが、メインは超人だろうが何だろうが、否応なく巻き込まれていく時代の流れが中心ではなかろうかと思った。回想形式のせいもあるのだろうが、全体をどことなく無常観が漂っているようにも思え、そこは極めて好みに合致。最後に垣間見える「完璧な夏の日」がどう絡んでくるのか、下巻にも期待したい。2015/04/11

絹恵

45
忘却することの出来ない暴虐の世紀の記憶が疼き出して、彼はあの夏の日を回顧します。抗うことなど出来ず、時風に巻き込まれるだけなら、異能の力を有していても自分は無力なのだと感じずにはいられません。そんなそこはかとなく感じられる虚無感のなかで彼女の言葉は響きました。霧の向こう側の世界、"本物の世界"とは何だろう。何を以てして本物と呼べるのだろう。2015/06/06

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