内容説明
1857年10月、ヘスターは新たな仕事を得た。エディンバラの名家の女主人メアリが夜行列車でロンドンを訪れ、数日滞在したのちに帰宅する予定で、その間の付き添いを請け負ったのだ。彼女は高齢で心臓に持病があり、薬の飲み忘れは命に関わる。経験豊富な看護婦であるヘスターは車中で指示通りに薬を飲ませたが、翌朝、メアリはこときれていた。身に覚えのない殺人の罪で起訴されてしまったヘスターの絞首刑を防ぐには、裁判で無実を証明するしかない。私立探偵モンクは真犯人を見つけるべく捜査を開始する。緊迫感に満ち満ちた傑作法廷ミステリ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佳乃
28
誰がヘスターを陥れたのか。また、何故母メアリに対して「さよなら」とウーナは言ったのか。もう気になるどころの話ではないよ。怪しい、怪しすぎる展開だよ。なのに、スローで進むから苛々が募る。早くヘスターを救ってよ。2017/11/09
ごへいもち
21
楽しみの読書。続きが気になる。本書は第5作目。飛ばした第4作目も早く邦訳刊行してほしいな2015/04/29
geshi
19
シリーズの途中の作品で、初めましてのキャラクター達が関係性を築いた状態で出てくるのに戸惑ったのと、裁判とタイトルしておきながら上巻では裁判が行われないことにがっかり。ミステリとして謎解きをしようという方向ではなく主人公へスターと名探偵モンクと弁護士ラスボーンのロマンス中心のサスペンスで、期待が全く持てなかった。背景や風俗などの細かな描写から19世紀の時代らしい雰囲気が出ていて、読めるものには仕上がっている。家族に潜入し秘密を暴いていく展開で何かありそうなのにそこも空振りって、気を持たせすぎ。2024/04/21
星落秋風五丈原
13
へスターとモンクのお互い好きなのに意地を張る感じがたまりません。モンクって名前の探偵はイギリスに多いんでしょうか。2015/02/24
鐵太郎
11
「護りと裏切り」のシリーズ次作。かつてナイティンゲールとともにクリミアの戦場で看護婦をしてきた「自立する女」を目指しているヘスター・ラターリィが、スコットランドの名家の女主人がロンドンに旅する看護の仕事を得ます。しかし、鉄道でのその旅の途中、女主人は死んでしまったのでした。それが毒殺、それも女主人の常備薬であるジギタリスの過剰摂取で、しかも女主人の高価な宝石がヘスターのトランクから発見されます。絶体絶命の状態で逮捕されるヘスター。はたして無実を証明できるのか。いまから約160年前を舞台にしたミステリです。2015/09/11