最強の未公開企業 ファーウェイ―冬は必ずやってくる

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader

最強の未公開企業 ファーウェイ―冬は必ずやってくる

  • ISBN:9784492502662

ファイル: /

内容説明

ファーウェイという企業をご存知でしょうか。
世界170カ国に展開、世界人口の3分の1にサービスを提供し、
米国の経済誌に「世界でもっとも革新的な企業」として、
フェイスブック、アマゾン、アップル、グーグルに続く第5位に選ばれるようなグローバルIT企業です。

中国語社名は「華為技術有限公司」。
もともとは、うだつの上がらない人民解放軍の退役軍人だった任正非が、
1987年に深センではじめた怪しげな、中国ではよくあるブローカーのひとつでした。
その他大勢のブローカーと任が違っていたのは
「20年後に世界レベルの通信機器メーカーになる」という強い思いを抱いていたこと。
そしてそれは現実となったのです。

しかし、ファーウェイは急成長するにつれて、かつて教えを請い信頼を寄せた米企業から訴えられたり、
人民解放軍と密接なつながりを持ち、保護を受け、通信情報を軍に流しているのではないかとウワサされ、
ロビイストの暗躍する米議会に問題視されて、いわばアメリカそのものを敵に回したこともありました。
任の経営哲学は時に秘密主義とも呼ばれ、株式公開をしないこともあり、
実態がなかなかうかがい知れず、厚いベールに包まれてきたことも、そうした憶測を助長しました。

わずか20数年の間に、奇跡の成長を遂げたIT業界の“紅い巨人”、ファーウェイとはいったい何者なのか。
そして創業者の任正非とはどんな人物なのか。
ファーウェイは従業員が全株式を保有する会社であり、任の持ち株比率は1%台にすぎません。
彼の類い希なるカリスマもまた、大いなる謎だと言えます。

本書は、それらを全面的に解き明かす初めての書物です。


【主な内容】
序 章 次に倒れるのはファーウェイか
第1章 孤高の経営思想家
第2章 どこまでもオープンに
第3章 開放と閉鎖
第4章 妥協という名の芸術
第5章 顧客至上主義
第6章 奮闘者だけが生き残る
第7章 灰度哲学
第8章 保守的な「革新」
第9章 自己批判
第10章 7000人の集団辞職
第11章 均衡と不均衡の極意
ファーウェイの冬

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kentaro

29
戦略とは「私は誰か」「何ができるのか」「何ができないのか」という三つの問いに答えることだ。「私は誰か」は戦略の根本である。任は自分自身の位置づけを「純粋な商人」とし、ファーウェイについては「通信機器メーカー」としている。この位置づけは1998年にまとめられた「ファーウェイ基本法」で明確化され、以来ひとときも揺らいでいない。 危機はいつも足音を忍ばせてやってくる。個人的な視点や立場だけで物事を考えてはならない。広く深い懐を持たなければ、変革と正しく向き合うことはできないのだから。今を予見していたかのようだ。2019/11/16

速読おやじ

8
顧客を中心に、奮闘者を根幹とし、苦しい奮闘を長期に渡って続ける。これがファーウェイの基本的価値観。なんとまあ熾烈な!これを支えているのが、灰度という寛容の精神とオープン化。また常に自己批判をせよ、とも言う。これは松下幸之助が言うところの、素直になる、という事と同義だろう。顧客に目を向け、上司には尻を向けろとも言う。本書の中で何度となく、奮闘という単語が目に付いた。こんな会社に果たして日本企業は勝てるのか、、、。ファーウェイは未公開企業であるが、創業者の任氏の持株比率は1.4%。従業員の多くが株主なのだ。2019/05/03

かつどん

4
いまや中国の通信機器業の大手、ファーウェイと、その創業者である任正非(にん・せいひ)の歩み。すべては「生き抜く為」に集約される。それだけ死が身近に感じれる環境と言う事なのか。 ・これと決めたらがむしゃらにやり抜く。・大雑把で管理が苦手。といった中国人気質も伺えます。株式の未公開企業であるのは、株主への短期的な利益の還元を考えず、長期的視野で生き抜く為。その働き方、目の前の事に対するがむしゃら感は想像を絶し、正に命を賭けて生き抜こうとしている姿は、日本は中国に飲み込まれてしまうのではと恐れてしまうほど。2015/08/13

☆ツイテル☆

2
フライヤー2021/12/06

christinayan01

1
有効な戦略・戦術であれば差別なく吸収し続ける貪欲さ、常に危機感を持ち、懐の大きさや柔軟さはまさに中国戦国時代の一国が現代にタイムスリップしたかのようだった。 これだけ米国などから虐げられても成長を止められないどころかむしろ欧米・アフリカを味方につけ反映するということは、今後どうなるか恐ろしい。それでも任氏は満足しないのだろう。 個人的に中国思想を崇拝している為中華思想と欧米型マネジメントの融合は資本主義下の企業の最終形かもしれない。 あえて悪く言えば任氏の宗教組織で追い込み方が異常。(本人も認めてる様子)2020/07/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9390531
  • ご注意事項