内容説明
涙。――それは誰もが流すもの。たとえ禁じられても、こらえきれず溢れるもの。魔導戦争の隙間にあるその非武装地帯には、見せ掛けと偽りの享楽と笑顔の陰でいつも血塗れの陰惨な事件がつきまとう。積み重ねられし数十年の悲劇の果てに訪れた大破局に、大地は裂け、街は震撼し、人々は喪った夢を想う……そしてすべてが終わったはずの廃墟にやってくる仮面の男がもたらす残酷な真実は、過去への鉄槌か、未来への命綱か?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
44
戦火を免れた難民や敗残兵たちが築き上げた特殊な街・禁涙境。ここで過去数十年に渡って起きた幾つかの事件がひとつに収斂していく時、街の創成に纏わる謎が動き出す。エドの歴史が語られるが、過去は語られない。そして謎の怪人たちも登場、これからへのプレリュード?魅力的な新たな登場人物多数。そしてエンディングが何とも美しかった。2016/11/24
ダージリン
31
再読にもかかわらず、順番を間違えて「残酷号事件」から読んでしまったけれど、その方が時系列的にも良い感じ! ここまで比較的間を空けず読めたので人物関係が頭の中で繋がっていてうれしい(笑)。次は新刊?に行こう♪2021/08/03
ダージリン
23
最新刊が出たけど、ここから読んでなかった(笑)。禁涙境という特殊な街で、それゆえに起きた過去から今にいたる不可解な事件をきれいに繋げてしまうEDがすごいですが、圧倒するパワーでは残酷号が上まわってましたね。そして、少年の頃のEDと風の騎士の友情!この頃から風の騎士はかっこ良かった♪ 2016/01/25
miroku
17
EDと風の騎士の少年時代のエピソードを含め、主要登場人物たちの過去の姿も垣間見えるストーリー展開。シリーズ4作が、ここで一本の線に繋がった。読み応えのある一冊♪2012/10/15
神太郎
15
事件シリーズ4作目。このシリーズは刊行までに大分待たされる分内容も濃いから好き。禁涙境にかつて起こった事件をベースに物語は展開。残酷号による禁涙境崩壊を機に過去の事件の裏に隠されていた真相をEDが解き明かす。懐かしの名前がチラホラ出てくるのは上遠野作品ならでは。色々あったけど、ラストはあっさり。そして「残酷号事件」へと話は展開していく。 絵師の金子一馬さんがこの巻をもって絵師を降板したのは残念だった思い出がある。2013/12/31