内容説明
「我々は誰もが、ここに挙げた犯罪者達と同じ暗黒を自分の中に持っている」(太田光)。金属バット殺人事件、説教強盗、大久保清、パリ人肉食事件、出歯亀事件、玉の井バラバラ殺人事件、三億円事件など近代日本史上の重要な犯罪を解説し笑いとばしつつ、現実に起こっている悲惨な事件の本質にせまる。人間の犯す罪はいつの時代も変わらない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パグレオン改めトニカマ坊や
11
歴史に残る犯罪を笑いを交えて伝える、そんなハードルを課して太田さんが奮闘、しかもやってのけてしまうわけだけど、そうすることによって伝えたいことが伝わるから、「笑い」が成立している。とくに後半(現代)の事件は太田さんにしか扱えないのでは?2016/10/12
猫丸
9
16世紀末石川五右衛門に始まり、1980年の金属バット殺人まで。田中聡という人(知らなかった)が歴史監修のようで、漫才の幕間に日本犯罪略史を書いている。これのチョイスが良いですね。爆笑問題がイジる犯罪の中では、パリ人肉事件を忘れかけていたなあ。「佐川君」から反射的に浮かんだ顔が宅八郎(2020年他界)であったが少し違う。次に蓮實重彦の顔を思い出すけれどこれもちょっと違う。要するにインテリ顔なんですね。2022年現在、佐川氏は要介護ながら存命とのこと。2022/02/13
退院した雨巫女。
8
《私‐図書館》確かに、太田さんの毒舌とふざけた感じは、好きではないけど。わかりやすい。2011/05/19
矢代
6
再読。「パリ人肉食事件」はこれを読んで初めて知った事件でかなりの衝撃を受けました。しかも精神鑑定つきの無罪。ここには書かれてませんが、フランスが再審を拒否したために日本で裁かれないとか、そんなことで罪が消えるのかと読んだ当初は悶々とした記憶が。爆問がかいてるからライトに読めたけど、昭和の犯罪は遠いものでないからわりと怖い。大久保清とかね。2016/06/13
羊と蝸牛
3
江戸ちょっと前から現代までの事件をネタにしている。正直、事件(特に殺人)を笑いにするには、ホラー的な笑いしかないのかなと思う。が、この本はそういったアプローチでネタは作られていない。太田さんも書いているが、笑うに笑えない、胸糞悪さが殆どのネタについてくる。フィクションなら笑えるのだけど。なので、爆問の本ではなく、犯罪史を垣間見るつもりで読むと良いと思います。合間にある江戸~現代の犯罪年表も、彼氏を悪く言った母を突き飛ばして殺した江戸の町娘とか、興味深い事件が多くて面白い。市井を別角度から覗けます。2016/07/09