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内容説明
――自分の居場所がなくて家出したボク達は港を探してさまよっている船のよう――。いつのまにか寄り添い、旅をするようになった個性の全く違う4人の仲間、グレアム、アンジー、マックス、サーニン。親に見捨てられた子供達の早すぎる孤独は、彼らをこの世のはみだしっ子にしていた。傷ついた過去を癒してくれる誰かがきっとどこかにいるはず!愛を探すそれぞれの心が今、血の絆を超え固く結ばれる…。他界した不世出の作家、三原順の最高傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瑪瑙(サードニックス)
43
懐かしいはみだしっ子。昔読んでいた時はグレアムが大好きでした。どこか陰のある彼に魅かれていました。読み進むうちに4人とも大好きになりました。両親から見捨てられた過去や大切な人を失った過去を抱えながら、逞しく生きる彼ら。子供だけで生きていけるはずはないと思いながらも彼らを応援していました。三原さんの心理描写は凄いと思います。引きつづき読んでいこうと思います。2020/06/25
天の川
37
総特集を片手に再読。「花とゆめ」「LaLa」にどっぷりだった思春期に三原順作品に出会えた僥倖。あの頃はDVやネグレクトなんていう言葉も知らず、親に捨てられ孤独を抱える少年たちに自分のセンチメンタリズムを重ねていたような気がする。しかし、「僕たちを愛してくれる人を探そう」とさすらう彼らは、決して受け身ではなかった。彼らは実に潔い。傷口を舐めあうのではなく、長い旅の中で互いを深く理解しあい、家族以上に深く深く結びついていくのだ。エイダの苦しみも又、彼らによって解放されていく。読むほどにたまらない。2015/04/21
SOHSA
33
読友さんのレビューを読んで30数年ぶりに再読。やはり、深く重い。あの時代はこうした作品が少女漫画というジャンルの中に結構あった。世の不条理や個々人が心の奥に抱える苦悩などをテーマとして正面から扱った作品が。しかし、やはり重い。活字に加えて描かれた絵が主人公達の心情をストレートに伝えようとしてくるだけに、読み手に相応の覚悟と準備がなければ容易に受け止められない。ましてや文庫化に伴って1冊に8話も収められていると読み切るのに相当の体力がいる。(→)2014/01/25
さゆ
26
まさかこの歳になって、このイタイ話を再読することになるとは思っていませんでした。読んだのは、ざっと35年くらい前だと思う。それなのに、というか、それだから、ともいうのか、自分でもびっくりするくらい覚えていた。なんていうか・・・あと100文字では、とても書き表わせられないなあ・・・。後日また。2010/11/26
TKK
19
初読は中学生の時、生きること死ぬことばかり考える毎日で、グレアムに完全に同化してました。決してなることはないと思っていた大人になった今では、黙って見守る方が辛いのだとわかるけれど。「トーマの心臓」もそうでしたが、トーマ..は答えがあった。けどはみだしっ子は混沌としたまま終わってしまって、今でも読むとパンドラの箱を開けた気持ちになります。2019/01/17