内容説明
初めて暴かれた「法権力」中枢の不正義! 過去の著名冤罪事件と、2014年の岐阜県美濃加茂市長事件を取り上げ、元検事と元裁判官が「権力の犯罪」に斬り込む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こも 旧柏バカ一代
23
元検察官、元裁判官の両氏が対談。容疑者はまだ犯罪者では無いなのに、世間では犯罪者と同じ扱いにされてしまう。それは検察が起訴したら有罪率99.9%になる事から裁判は検察側の意向が効いており、裁判官も検察に唯々諾々と従っているだけ。それを村木厚子氏の冤罪で判明した「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」。小沢一郎氏の陸山会事件の「虚偽捜査報告書問題」。そして、美濃加茂市市長の賄賂事件の供述の信用性などを例にして説明されてた。 無罪でも有罪だと決め付けられたら有罪な日本って怖い。2020/09/09
ネコ虎
6
韓国の司法を笑えない。虚構の法治国家日本の恐ろしさがここにある。特捜検察の不祥事で検察の権威はかなり落ちたが、裁判官は(左翼裁判官を除き)まだ信用できると思っていた。しかしこの本で裁判官の威信も打ち砕かれた。戦前から検察官一流、裁判官二流は今も続いているという。検察の作ったストーリーに合わせて判決する裁判官。無罪の心証があっても有罪とする裁判官。組織内裁判官は評価や出世のため普通のサラリーマンと変わらず、上司やメンツを重んじる組織の論理に従い冤罪作りも厭わない。裁判官は冤罪を何とも思わない犯罪者といえる。2016/12/27
aochama
2
元裁判官と元検察官が、著名な冤罪事件を検察の歴史的側面も交えて原因分析するとともに、2009年以降に発生し検察への信頼が失墜した2つの事件を深く検討し、舌鋒鋭く刑事司法の闇を照らし出しています。その後に発生した美濃加茂市長事件でも体質が変わっていないことも指摘しています。裁判所に検察官がもたれこんでいたら、有罪率99パーセントになりますね。睨まれたら終わり。その一方では冤罪が。裁判員制度や検察審査会制度で司法への市民参加が促され、よい方向に変化してほしいと願わざるを得ません。2016/12/31
Happy Like a Honeybee
2
わずか30万円の収賄事件で現役市長を逮捕など、歴代の冤罪を裁判所と検察の専門家が対談した書物。 戦後の内務省解体で特高や憲兵隊は完全解体、組織消滅される中検察官は34名が公職追放されただけ。裁判官は法を適用したと言う理屈で切り抜け処分者ゼロ。つまり日本の法権力はほぼ無傷であり、戦前戦後は実質的に継続している。思想弾圧の名残があるようだ。2015/03/08
ネコ
0
つくづく、日本は人権を尊重しない国だと思います。 お上は常に正しく、間違えないという意識が根強いのでしょうか。長いものには巻かれろというのが、日本人の体質をよく表していますね。 民間企業の不祥事などは徹底的に叩くくせに、国や官に対しては生ぬるい対応で終わってしまうマスコミも情け無い。2016/08/09