内容説明
みなもとのよしつね――その名はつねに悲劇的な響きで語られる。源氏の棟梁の子に生まれながら、鞍馬山に預けられ、その後、関東奥羽を転々とした暗い少年時代……幾多の輝かしい武功をたて、突如英雄の座に駆け昇りはしたものの兄の頼朝に逐われて非業の最期を迎えてしまう。数奇なその生涯を生々と描き出した傑作長篇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
312
上巻では義経の前半生(本文では木曽義仲を追討しようとするあたり)を描く。これまでのところは、動きがそれほど急ではなく、むしろ地味な印象である。義経については、公記録では『吾妻鏡』、私記録では九条兼実の『玉葉』、また軍記では『平家物語』をはじめ『源平盛衰記』、『義経記』などが残されており、資料(史料)は多い。ただ、江戸期以降のものとは違って、そこに想像の余地は多分に残されていそうである。司馬遼󠄁太郎は、頼朝と義経とを対照的に描く。頼朝は天性の政治家として、そして一方の義経は希代の戦上手であり、その美学⇒2026/05/02
ケイ
155
落語を聴いても、歌舞伎を観ても、源平合戦や頼朝vs義経・弁慶の話は拾いきれずにいつも悔しさが残る。「源平盛衰記」や「平家物語」、「義経記」を読もうにも敷居が高くて、なかなか手に取れぬ。ならばこれからと、取り掛かった。司馬史観が入っているだろうし、彼の創作もあるにせよ、わかりやすい。義経を殺さなかった清盛、清盛の子を生んだ常磐。ほぅ。天下をとった平家がしてきたことを、その後に天下をとったものは真似せぬようにしてきた、か。なるほど。「平家にあらずんば人にあらず」となれば、恨みをかうとなあ。2018/09/16
明智紫苑
144
アーサー王伝説をテーマにしたブログの記事を書くために「井村アーサー」を読んでいるが、息抜きとして司馬義経を読む。しかし…義経の致命的な政治力のなさはランスロットと変わらん! この二人の同類として「国士無双」韓信という人がいたけど、誰かが「司馬さんが本当に描きたかった韓信のイメージとは、すでに『義経』として描いてしまったのではないのか?」と言っていたのには大いに納得した。この三人、政治力のなさが最大の弱点だが、それがかえって魅力にもなっているのだ。多くの日本人は政治的な人間を苦手とするのではないのか?2016/08/08
遥かなる想い
137
義経を少し引いた感じで描いた作品。今では 定説になっているが、私が読んだ当初は、知らなかった頼朝と義経の立ち位置がよくわかり、歴史の面白さを再認識させてくれた作品だった。2010/07/31
優希
96
面白かったです。この時代の物語を読むことは滅多にないので興味深く読みました。義経が過去転々としていたことは知っていましたが、改めて子供時代は暗かったのだと思わされました。上巻ではあまり義経の活躍はありませんが、下巻でどう動くか楽しみにしてます。2018/09/04
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