内容説明
世界で一番個人的な〈戦争〉のハナシ
「戦死者ゼロ。高校生の俺にとって、形骸化した戦争はテレビの中のリアルでしかなかった。あいつから銃口を向けられる、そのときまでは――」拓真颯は2年前の事故で右目の視力を失った。無愛想な風貌とあいまって、軽音部でつるんでいる璃奈、太一、龍彦以外とは、あまりつきあいを持っていない。そんな彼が最近気になっているのが、同級生の菜月カナデ。ある晩、菜月に公園に呼び出された颯は、太一に似た顔の男が、血まみれの女性の死体を抱えている姿を見る――。●第1回小学館ライトノベル大賞・佳作受賞作。
※※この作品は廉価版です。廉価版にはイラストが入りません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
永山祐介
1
中盤以降明らかになる「戦争」の仕組みからすると、市民レベルでももっと不安を感じていて良い気がする2007/06/22
LongGate
1
ラノベの「戦争」って広義すぎやしないだろうか、と思う。2009/05/29
真林
0
日常の裏で繰り広げられる「戦争」に巻き込まれていく主人公。旧知の人物が、想いを寄せる人が「戦争」に関わっていると知る。小っ恥ずかしくなるような恋愛模様が一転、惨劇へと移っていく中での心情描写の落差は見事。しかし最後まで「戦争」というキーワードの意味がいまいちわからないという致命的な点や、主人公の友人関係内で物語が完結している点など、欠点も多数。二巻でどう繋げてくるかといったところ。2015/07/03
葛宮
0
内輪すぎるでしょう。2012/10/02
1_k
0
平和なテンプレ日常が一転する構造はいいと思うのだが、「厨二バトル」の枠から一歩も出ていないので、間違っても「戦争」ではないと思う。前半パートの主人公にとって人事のように進んでいる戦争、の表現は良かったのに、後半に来てがっかり。ガチで現代的な「戦争」を全面に出すなら、「虐殺器官」が指標になってしまうので難しいとは思うが。2011/08/13