内容説明
不祥事を起こし辺境の寺院へ送られたリュートガルトが畑で男の死体を発見。「地霊の輪」の呪いだと村人が脅える中、新任の郡長官に見込まれてしまったリュートは、事件の謎を探る羽目に……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピち子
7
◆借物◆ 【□】 読み始めて、まずリュートガルトの破戒僧っぷりに、もっと清らかな主人公をイメージしてたんで苦笑。 内容は、夢中になって読み耽ったという程でもなく淡々と読み進めた感じで、残念ながらキャラクターに好感が持てず共感もできなかった…が、どうやら本書は連作シリーズの本章に入る前段の話らしいので、評価は保留して様子見。 物語の世界観は、歴史・宗教・政治・地理など多岐にわたり創り込まれている感があるので、今巻で散りばめられた伏線の回収も含め続巻に期待。 唯一の救いはトラン老師だったんだけどなぁ(T_T)2011/06/15
U
5
生臭坊主ここに極まれリ、ですが、老師とのやりとりにものすごくほのぼのしました。なんだよ死んじゃうのかよ……!!そんな予感はしてたけども!のラストにじわり。なんだかんだできっと本当は尊敬、というか、家族みたいに思ってたんだろうなあ、と邪推しつつ、面白かったです。しかし彼の顔はそんなにきらめいているんですか(笑)。2012/01/23
紫野
4
あとがきを読んで、列伝になる、という事で、次回リュートガルトが出てきたとき、どうなっているか楽しみ。今回の話は彼が変わるきっかけだと思うので、後々どんな姿になって出てくるのか、期待したいと思う。2011/07/21
ma-no
4
中世の田舎の、陰鬱な感じがとてもよく出ています。内容が重厚なだけに、主人公コンビのBLっぽい要素が妙に生々しい(笑)2011/05/12
tatsuki
3
この鼻持ちならないイケメン主人公は、鞭かなんかでひっぱたきなることしばしば。初っ端から貞操の危機、変わり身逃走シーンでは案の定女装とお約束も外さない(笑)。総じてミステリー&エンタメシーンは楽しかったんだが、作中の根底にある光(へ)の道を模索する過程は、よくも悪くも著者の《主張》が強い…。農(作)業の現実と理想の描写は好きなんだけど。あと、文章。読みやすいんだけど、時折必要以上に“飾り立ててる”感じが好みじゃない…が、これは初読ゆえの違和感でそのうち馴染んでくるのかもしれない。2011/10/25