- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
安倍政権はいつまで続くのか。安倍官邸のキーパーソン、そして、「ポスト安倍」の有力候補は誰か。新聞の首相動静にも記されない、日本の行方を決定づける非公式会議に、「隠し廊下」を通って集結していたメンバーとは――。政治記者歴35年の著者が、2015年以降の政局の行方と安倍内閣の「本質」を読み解く。(講談社現代新書)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
64
いやまあ総裁選なので。テレビで見ない日はない人の本ですが、官邸の機能を詳しく書いてあって斬新な感じがします。一方で、安倍さんとか菅さんについてのプラス評価の裏には、戦国武将的なエモいエピソードがあるのだなあ、ということも感じられます。なお2014年の本なので、「ポスト安倍は石破が軸」とかいういま読むともはやSFっぽいとこも。菅さんが秘書を務めた小此木彦三郎議員が急死し、後継として立候補できるかと思ったら、「後継は八郎」と書かれた遺書が出てくるくだりは、元横浜市民として鳥肌立ちました。2021/09/22
びす男
59
「政治記者の最大の仕事は国家権力の構造を解明することだと思っている」。ベテラン政治記者の目から見た阿倍政権の姿が、非常に分かりやすく書かれている。おおむねフェアに書かれていると感じる、好感のもてる一冊。毀誉褒貶あるも、久しぶりに長続きしそうな政権である。官邸のチームワークと大局観が日本の行く末にどう影響するのか、これからも注視していきたい。菅官房長官の来歴、エピソードが個人的に印象に残った。本で読んだりテレビで見たりするだけだが、非常に優れたバランス感覚を持っているなと思わされた。2015/04/18
hatayan
55
2014年刊。安倍政権に直接アクセスできる政治記者が安倍一強の秘密を政権寄りの立場から説くもの。 政権安定の原因は民主党政権の失敗に助けられているとしながらも、以前挫折したときの反省に基づいて官邸内で意思疎通を徹底し、官僚の人事権を掌握。失意の時期に協力者に恵まれ、菅官房長官が首相の足らざるところを補い政権として見事に連携しているところを強さの秘密とします。 しかし、本書出版後の2017年、森友・加計疑惑が発覚。強すぎる官邸が官僚の忖度を生んだことも頭の片隅に入れながら本書を読むのが適切と考えます。2019/07/12
kinkin
45
政治についての基礎知識が乏しくて不勉強もあり安倍内閣の正体見たりとはならなかった。現在様々な課題を抱えている日本。どんな舵取りをするのかわからないが、これからも乗り心地の良くない阿部船長の日本丸は、大波をかぶりながら動き続けること確かだと思う。2015/04/06
壱萬弐仟縁
34
財務省の根回しのすごさ。自公、民主党議員、テレビ局解説委員、コメンテーター、論説・解説委員にご説明、と(15頁)。税金は国民からの血税だから無駄づかいできない。U字溝工事をどこでもやっているが、慣習か? 官僚は首相や大臣の意向に沿って動く以上、分を超えるのはいかがか、と(17頁)。政治センスと判断力なくして秘書官は務まらない(59頁)。官僚の本質はニクソン『指導者とは』で、指導者に忠誠心を抱く官僚は微々。大部分は私益だけを考えている(60頁)。トンでも公務員。 2015/01/19