内容説明
「平民宰相」原敬の初の本格的評伝。新聞記者・外交官・企業経営者など多彩な顔を持ち、一貫して「公利」という概念を重視して第一次世界大戦後の世界を見通した、ポスト「元勲世代」の偉大な政治家の生涯。下巻は、大隈重信、山県有朋、桂太郎らとの確執を経て、首相として初の政党内閣を成立させながら、東京駅で凶刃に倒れるまでの後半生を描き、この暗殺によって失われたその後の可能性と、原が日本の歴史に遺したものを考察。(講談社選書メチエ)
目次
第四部 剛毅編
第一九章 西園寺内閣を誕生させる──日露戦後に内相となる
第二〇章 政党政治家原敬の成長──内閣の実力者となる
第二一章 米欧周遊とその後の円熟──米国への高い評価と日本の指針
第二二章 実業への活動の広がりと充実──古河鉱業の近代化
第二三章 選挙地盤の確立と郷里への思い──盛岡別邸と『南部史要』
第二四章 桂太郎との連携の崩壊──辛亥革命・明治天皇崩御・大正政変
第二五章 秩序ある政治改革を推進──山本内閣
第五部 老熟編
第二六章 「最後の危機」と政党政治への道──第一次世界大戦と大隈内閣
第二七章 「一山百文」の精神の充実──腰越別荘新築・戊辰殉難者五十年忌
第二八章 政友会の勢力回復と寺内内閣──中国外交とシベリア出兵、米騒動
第二九章 原内閣の誕生と新外交──大戦後の外交と植民地
第三〇章 内政大改革の実施──教育・鉄道・国防・選挙区
第三一章 政党政治の健全な発達をめざして──一九二〇年総選挙と原首相の権力
第三二章 軍と宮中の掌握──イギリス風立憲君主制
第三三章 暗殺・葬儀──「盛岡市民葬」
原敬が暗殺されずに長生きしていたら──おわりに
あとがき
主要参考文献
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