和歌のルール

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¥1,320
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和歌のルール

  • 著者名:渡部泰明/和歌文学会
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 笠間書院(2014/11発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784305707529
  • NDC分類:911.1

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内容説明

これだけ知れば楽しく読める10の和歌のルールをやさしく説明 !

高校の教科書に載っている作品を中心に、和歌の魅力を味わうのに十分な10のルールを選びました。
初めて和歌を読む人々を思い浮かべて書かれた、わかりやすくて本格的な和歌案内書です。

ルールさえ知っていれば、今よりずっと楽しめるようになるのです。ルールといったってずいぶんたくさんあるのだろうなあ、と不安にならなくても大丈夫です。どんな競技でも、基本的なルールはそう多くはないでしょう。
そのルールのうち、とくに基本的なものを解説するのが本書の狙いです。
これだけ知っていれば、和歌の一番大事な魅力を味わうのに十分、というルールだけを選び出しました。

もしかしたら、十個のルールでは少なく思えるでしょうか。でもこれだけわかっていれば、かなりのものです。格段に和歌が面白く読めるようになること、請け合いです。

執筆は、上野誠/大浦誠士/小林一彦/小山順子/鈴木宏子/田中康二/谷知子/中嶋真也/錦 仁/廣木一人/渡部泰明。

目次

●はじめに
ルールさえ知っていれば、和歌は、今よりずっと楽しめる
▼渡部泰明

 和歌はシンプル
 和歌は人の心を表す
 和歌にはルールがある
 どうしてルールがあるのか
 基本ルールは修辞
 和歌はプレゼント

第1章●枕詞[まくらことば]
―それは古風な約束事の言葉、訳せないけれど、意味がないわけではない。
▼中嶋真也

 枕詞の力
 「しろたへの」と白
 「ちはやぶる」と神
 「ひさかたの」と天
 枕詞と古代

第2章●序詞[じょことば]
―一見関係なさそうな事柄なのに、人の心に形を与え、わかった気持ちにさせてくれる。
▼大浦誠士

 恋と序詞
 “乗り換え”の形式
 心の“かたち”
 サブリミナル効果
 心の理解に正解なし
 心が伝わった!?

第3章●見立て[みたて]
―風景をありえないものに一変させる、言葉の力。
▼鈴木宏子

 見立ての定義
 本当は似ていない?
 見立ての歴史
 自然と自然の見立て
 自然と人事の見立て
 紀貫之の手腕

第4章●掛詞[かけことば]
―自然と人間を二重化した、意外性の世界。
▼小林一彦

 たくさんの思いを伝える工夫
 掛詞の二つのタイプ
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

六点

49
枕詞から掛詞、折句から題詠と言った、現代人の常識では理解し難いものまで、高校古文よりちょいと深い感じで、鑑賞の前提となる知識をまとめた本。…実作をするには、まず、鑑賞ができなきゃ意味ないよねと思い購入したのだけど、期待は裏切らなかったです。さぁ,まず講談社学術文庫の『注解 百人一首』から行ってみようか。2014/12/04

syaori

48
和歌の修辞はラッピング。恋人や友人や目上の人に捧げる贈り物を美しく装うもの、それが和歌の技法。長い歴史のなかで時に過剰になることもあるその包装を解き、包みのなかの送り主(詠み手)の心を取り出すべく、和歌の代表的なルールを教えてくれる本。有名な歌を例にとりながらの分かりやすい説明なのでちょっと構えてしまう人でもお歌が身近に感じられるはず。何より書き手たちの、ただ読んで感じるだけでなく、ラッピングを解くコツを理解し、楽しみ、和歌に親しんでほしいという思いが随所に感じられ、久しぶりに和歌が読みたくなりました。2018/02/23

buuupuuu

25
自分のような右も左も分からない人間に、肩肘張らない言葉で和歌の面白さを伝えてくれる。様々な技巧や決まり事がどのようなものであるか、例として取り上げた和歌を一首一首解説しながら教えてくれるから分かりやすい。例えば、序詞によって心情に繊細な形が与えられることだとか、本歌取りによって重層的で複雑なイメージが表現されることだとか、題詠が普遍性を追求する意識と関わっていることだとか。取り上げられた和歌の中では紀貫之の「袖ひちて」の歌が印象に残った。季節が移り変わる中で姿を変えていく水のイメージが鮮やかだと思った。2023/02/04

かふ

19
『古今集』や『新古今集』の和歌の技法を論じたもの。このあたりの技術論は凄いもので、日本の文芸モダニズム(ルネサンス)はこの頃にすでにやり切っているのだった。わずか31文字でその方法論だけ覚えてしまえば簡単というが、どうしてその31文字の中で最大限、恋する相手にラブレター(恋歌)を贈るというテクニック(装飾したラッピングで見せる)があったのだ。小野小町とか在原業平がスターだったのもこのへんの技術論をサラッとやってのけたからだった。2023/08/19

ほうすう

11
枕詞や序詞、掛詞などの和歌の用語をわかりやすく解説してくれている。解説を読みながらこの和歌ではこういった技法が使われているのですよと読んでいるとなんとなくわかった気にもなるが、他の和歌を詠みながらこんな技法が使われているのだなと分かるかというとどうなんだろう…。ただまあいきなり歌集に触れるよりも先に読んでいてよかったと思う。親切な入門書。2020/10/17

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