- ホーム
- > 電子書籍
- > ビジネス・経営・経済
内容説明
■まともに抗うのが難しい時代にどう、抗うべきか。
これまで、時代の節々に、ひとびとは「抵抗」してきた。
権力に抗う。
差別に抗う。
偏見に抗う。
でも、いつしか「抗うなんて、かっこ悪い」という時代になった気がする。
「失われた30年」を他人事のように眺めながら
「常識」「ふつう」「みんな」という名の同調圧力に屈する。
本書は「抵抗することを忘れてしまった時代」に生きる我々に
「自分らしく生きていくために抗う術」を伝える。
■22年前の死刑判決。
そして「抗う」ことの意義。
1998年(平成10年)7月25日に起きた、
そののち「和歌山カレー事件」として知られる事件がある。
和歌山県和歌山市園部地区で開催された
夏祭りの会場で提供されたカレーを食べた67人が
吐き気や腹痛を訴えて病院に搬送され
4人が死亡した事件だ。
当初は食中毒だと思われていたものの、
そののちの調査で毒物のヒ素が混入されていたことが判明。
事件から数か月後の10月4日に
元保険外交員・主婦の林眞須美氏が
夫の林健治氏とともに逮捕された。
保険金詐欺の犯歴を理由に逮捕され、
その後、殺人及び殺人未遂容疑で再逮捕、起訴。
眞須美氏は一貫して容疑を否認しているが
2002年12月11日に和歌山裁判所で死刑が言い渡された。
■いま、この瞬間も抗い続ける
あの人に話を聴きに行った。
ところが、この事件に関する裁判には
大きな問題があることが、
のちの検証により明らかとなってきた。
疑念点1:
直接証拠がなく、状況証拠の積み重ねだけで有罪となっている点。
疑念点2:
そもそも犯行動機が不明瞭。
つまり、冤罪の可能性がきわめて高く、
死刑が確定した林眞須美氏は
いまなお無罪を主張し続けている。
一方、林夫妻のもとに生まれた4人の子どもたちは
その後、児童養護施設で壮絶ないじめを受け、結果的に離散。
長女は2021年6月9日に自死した。
そんななか、事件当時11歳だった長男だけが
職場や友人に身分を隠しながら、
無実を訴え続ける母親と面会を続けている。
そんな彼の「抗い続けるさま」を克明に描写すべく
彼の地元である和歌山まで足を運び
ロングインタビューを決行することとなった。
本書の後半は、その貴重な記録である。
■本書の章立て
第1章 いつも、抗ってきた。
第2章 抗う作法
第3章 ささやかな「抗い」のプロセス
第4章 僕が伝えたい「抗う人」たち
第5章 いまここで抗い続ける人の声を聴く――林眞須美死刑囚の長男との対話
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
Go Extreme
にしきたまご
Noy