角川ソフィア文庫<br> 恋愛及び色情

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角川ソフィア文庫
恋愛及び色情

  • ISBN:9784044094720

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内容説明

代表作「恋愛及び色情」、自身の恋愛観を述べた「父になりて」「私の初恋」、震災後の都市復興について書いた「東京をおもふ」ほか、谷崎の女性観や美意識について述べた随筆を厳選。解説/編・山折哲雄。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

76
美意識と日本観を垣間見れる随筆でした。奥ゆかしい美や色気を愛していたことが伝わってきます。芸術は生活の中にあると言いつつも子を持つことで精神的な変化を懸念したり、男色の気があったことなど意外な一面を伺うこともでき、完璧な耽美を追求しているようでありながら、不安定さを感じさせるのが面白いと思いました。完成された芸術としての谷崎という作家を見てきただけに、知られざる一面を知ることができる興味深さがあります。2016/03/17

ちゃっぴー

14
「恋愛と色情」のほか、関東大震災に被災したときのことを記した「『9月1日』前後のこと」「東京をおもう」などの随筆13編。解説で山折哲雄が「東京でのろう」と言ったほうがいいほどだ、書いてるほど東京に対する悪口は、止まるところがない。「恋愛と色情」の中での谷崎の色気感が興味い。2015/01/15

桜もち 太郎

7
随筆集。「今昔物語」の隠微さ、日本男児の性欲の淡白さの考察には笑ってしまった。それって私見だよねと。「「私の初恋」では少年の頃は男色だったことの告白、驚いた。そして地震については徴兵と地震をどう切り抜けるかを語る。最後の「東京をおもう」はちょっと間延び過ぎかな。谷﨑潤一郎の知らなかった一面が見れて良かった。2015/01/29

原玉幸子

2
本書の過半は古い時代の爺さんの戯言かと思っていましたが、『東京をおもう』の稿で大地震に直面し、家族を心配しつつも嫌いな街の東京が破壊され再生に向かうことに「しめた」と思うとの感情の吐露が印象的でした。関西人としては、残すことで都市が成り立つ京都と、新しいものを作ることで都市が成り立つ神戸の違いを想起しました。(◎2015年・春)2019/12/19

とす

1
久しぶりに谷崎の文章を読んで、なんだかほっとした。いくつかの文章が収められていて、どれも理解納得しながら読み進められた。印象的だったのは地震に対する異常な執着。地震によって東京がきれいな状態になればいいという考え方は、衝撃的なものであった。2018/02/24

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