内容説明
遊び人として知られる、子爵家の跡取りフレディは、親友のデイヴナム男爵から留守のあいだ、妻の妹たちの面倒を見てくれと頼まれる。“妹たち”といっても本当は血のつながらない乙女たちが、男爵夫人の姪として、ふるまっているだけなのだが……。しぶしぶ引き受けたフレディだったが、気乗りしない原因は姉妹のひとりダマリスだった。彼女がいると、いつもの“軽薄な放蕩者”でいることができなくなってしまうのだ。ある朝、フレディはダマリスが貧民街へ入るところを見かける。彼女は自分の夢をかなえるため、内緒で磁器の絵付けの仕事をしているのだという。自分でもよくわからない気持ちに駆られ、フレディは毎朝送り迎えをすることに。早起きなどしたことがなかったのに、その日から朝靄(あさもや)の中をダマリスと歩くのが、なぜか楽しみとなったのだった。そんな時、結婚しない息子に業を煮やした両親が花嫁探しのパーティを開くと知ったフレディは、結婚願望はないというダマリスに、婚約者の<ふり>をしてくれと頼むのだが……。結婚をあきらめたダマリスと、放蕩者を演じ結婚から逃れようとするフレディ。偽りの婚約者となったふたりの秘密のゆくえは――? 大好評<チャンス姉妹>シリーズ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
25
きちんと1作目を読んでから再読。そのおかげでもともと好きだった楽しい男子がさらに素敵に見えました。また、前回読んだときは気づかなかった細かい設定、たとえば当時のアジアとキリスト教への不信感を西洋人の視点など(あたりさわりない程度ですが)に気づけて面白かったです。ほんとおばさま素敵すぎ♡2021/03/26
じょう
23
シリーズ2作目。ヒロイン・ダマリスの過去が過酷すぎる。「結婚しない」の理由がダマリスとフレディで重みが違いすぎる。でもフレディがダマリスの過去を受け止めて、癒してあげようとする一夜がとても素敵でした。今回もデイヴナム夫人がとても良い叔母様でしたね。次作も早く読みたいですが、本国でもまだなんでしょうか。暫く先になりそうなんですね。2014/10/17
たまきら
18
「チャンス・シスターズ」2作目は中国で冷酷な宣教師の父のもとで育ち、イギリスに帰国するまでの旅の間に過酷な体験をし、結婚願望皆無の美女と、兄を「殺した」と悔い、結婚願望皆無のお貴族兄ちゃんのロマンスです。前作でも彼が出てくるだけで噴き出すようにおかしかったんですが、シリアスなはずの展開でもそれは変わりません。とにかく、いいやつなんです。そして彼女が好き!と気づいてからはもうまっしぐら。子犬みたい!女子が中国育ちとあって色々と中国情報が出てくるのも嫌味がなくて面白かったです。3作目はジェインちゃん!2016/07/04
こげぱん
14
★★★3.52018/09/16
じょう
13
続編を読む前に再読。1作目は登場人物紹介とうか、姉妹の境遇等にページが割かれていましたが、今作は主人公2人のロマンスにじっくり描かれていて良かったです。2019/04/12