内容説明
2010年6月、急性白血病の告知。愛してくれる人がいるから、なるべく死なないように頑張ろう――。仕事の予定も、妻・母としての役割も、すべてを放り出しての突然の入院、抗癌剤治療の開始。辛い闘病生活のなかで家族と友人の絆に支えられ、ユーモアを忘れずに人気ミステリ作家が綴る、たくさんの愛と勇気、温かな涙と笑いに満ちた闘病記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
215
唯、タイトルに惹かれて。著者も全く知らない状態で読み始める。著者自身が急性白血病を患い入院。抗がん剤治療を経て弟からの骨髄移植を受け無事に退院するまでの闘病記。克明に記述された日々の記録は敢えてユーモアを交えて書かれているものの、それは壮絶なものであった。医療従事者の献身と、患者である著者自身が病気と文字通り必死に闘っている姿に胸を打たれる。さらにドナーとなった弟さんの骨髄提供の記録も収録されており、彼の勇気に感服しきり。2010年6月から半年間に及ぶ記録。著者が現在も活躍されている事を知り嬉しく思った。2025/04/20
hiro
210
加納さんの作品については、「駒子シリーズ」の続編を読みたいとか、次は映画化された「ささらシリーズ」を読もうなどと、のんびり思っていた。しかし、読メの新刊チェックでこの本をみつけて、初めて加納さんのご病気のことを知った。この本を読んで、ドラマでしか知らなかった白血病について、知ることができたが、作家の方が書いた読みやすい文章で、苦しい治療のときに家族の支えがどれだけ大切かを、改めて感じることができた。毎日書かれている闘病日記に抜けている日があるが、逆にそのことが闘病の苦しさを感じた。2014/09/19
いつでも母さん
113
初・加納作品がこれ!完全に小説だと思ってた。凄い。小説家の『さが』でとおっしゃっているが・・実際は厳しく重く苦しく大変だったのだと想像出来る。この方の人柄なのだろうか『嫌味なく』最後まで一気に読了。多分、加納さんは恵まれているのだろう(当事者に対して申し訳ない言い方ではあるが)経済的にも、ドナーが弟さんで形がピッタリだったことも、ご主人が自由業で(人気作家であるから絶対に忙しい時間をやり繰りしたのだとは察する)医師(病院・看護師を含む)との出会い等など・・それでも読んで良かった。希望の本だと思う。2015/06/06
mana
101
図書館本。エッセイの棚でたまたま見つけた、作家・加納朋子さんの闘病記。ある日突然白血病になり、過酷な治療が始まる。抗がん剤治療、骨髄移植などを乗り越え、無事に退院。当時綴られていた日記で構成されており、いかに苦しかったか、そして家族の絆とあたたかみが伝わってくる。ユーモアも交えておられるが、なかなかの体験である。旦那様は貫井徳郎さんなんですね。加納さんと貫井さんの作品を読んでみたくなりました。2025/08/20
りゅう☆
100
急性白血病の告知を受けた加納さんの闘病記。抗がん剤治療の化学療法と骨髄移植。がん治療はツラいと聞くけど、これほど生々しくツラさが伝わる文献を読んだのは初めてかも?物書きだから書かずにはいられない。何度か中断した時期はあるけど、ほぼ毎日書き続けた加納さんに頭が下がる。自分が死ぬことで悲しむ人がいる。だから絶対に死ねない。脱毛、吐き気、嘔吐、痒み等。副作用の苦しさは常にある。でもユーモア含め懸命に闘病する姿が眩しい。そんな加納さんだからこそ、たくさんの人が心配してくれる。そして旦那様である貫井徳郎氏の存在は→2021/07/13