岩波新書<br> 食と農でつなぐ - 福島から

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岩波新書
食と農でつなぐ - 福島から

  • 著者名:塩谷弘康/岩崎由美子
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 岩波書店(2014/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004314974

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内容説明

原発事故から四年目の福島.避難の疲弊,帰還の希望と絶望のなか,女性農業者たちが自ら取り戻そうと挑み続けるのは,農と食がつなぐ信頼関係.地道に積み上げた地域の力と,新たな共感者・挑戦者の連携が拓いた手探りの三年間をふりかえり,その先をめざす人びとの声で3.11後の社会を照らす.

目次

目  次
   プロローグ
   震災直後の福島大学で/大学ができる支援とは/これは誰がつくったの?
 第一章 手探りの三年間
  1 凍み大根からの模索
   避難者の思い/キーパーソンは学生と女性農業者/ 「かーちゃん」たちをつなぎなおす/独自基準二〇ベクレル/ 「結もち」の喜び/食の縁が結ぶ
  2 縁からネットワークへ
   協議会の結成/自分たちで測る/試作品づくりと研修/ 「将来的な自立と雇用」/一般社団法人の設立へ/産直カフェ「わぃわぃ」の開店/三年間でつないだもの/走りながら、迷いながら
 第二章 遠のくふるさと、近づく決断のとき
  1 原発災害は終わらない
   原発災害がもたらしたもの/多様な被災者・避難者/政治家・専門家不信/拡がる分裂と分断/進まない除染/ 「復興の加速」の下で/戻らない・戻りたい・戻れない/一ミリシーベルトの苦悩
  2 暮らしの立て直し──制度と実態と
   損害賠償と生活支援/直接請求、和解仲介、訴訟/先細りする損害賠償/いつまで避難者のままなのか/食の安全と営農の再開/不安とストレスの増大/子ども・母親・学校/ 「避難する権利」と「主権者としての権利」
 第三章 かーちゃんたちの生きかた
  1 阿武隈地域のかーちゃんたち
   福島県阿武隈地域/女性による地域づくり/農村女性起業/農村女性起業の前史/農家の「嫁」たち/法人化のかたち/近年の傾向/オルタナティブワーク/食と農の分断を乗り越える
  2 それぞれの場所で──壊された地産地消と、新たなつながりと
   福島市の果樹園で/ 「いで湯とくだものの里」/大熊町のアグリママは、今/帰還を迎えた川内村/葛尾村の凍み餅/しそ巻きづくりの工房で/西会津、キノコからカフェへ/仮設住宅の手仕事起業/飯舘おこし酒を喜多方市で/どぶろく造り再び
 第四章 「食」にこめるもの
  1 あぶくま茶屋から──ふるさとを離れてふるさとをつなぐ
   渡邊とみ子さん(飯舘村)/高橋トク子さん(飯舘村)/五十嵐裕子さん(福島市)/渡辺文子さん(川俣町山木屋地区)/石井絹江さん(浪江町津島地区)/葛尾のかーちゃんたち
  2 食の力に願いをこめる
   地元のまちづくりNPO/農産品育成者/ 「せっつぁいもん」にこめた願い/ 「なな色の空」からの野菜支援/湘南市民の共同購入/ワーカーズコープ/農業科高校生のバーチャルカンパニー/つなぐ人びとは何を託すのか
   エピローグ──福島から見える日本
   希望の種/長靴持参の料理教室/消費者との新たな関係づくり/被災者が支える/何のための自立か/ 「こころざし」とビジネスのバランス/自前のものさしづくり/小さな六次産業化/開かれたコミュニティへ
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

24
中山間地域農林業、女性起業をテーマにしてきた著者(ⅹ頁)。‘13年9月飯舘村の除染で生じた廃棄物を詰めたフレコンバッグ仮置き場(37頁)。こんなものが農村風景? 誰の責任かと思う。農村アメニティを求めていた飯舘村民の無念を慮る。四重被害の地震、津波、放射能汚染、風評を被った福島県で、復興は実感なし(40頁)。自然環境=経済=文化の一体性の回復(43頁)が如何に困難か。被災者同士の分断は、避難、帰還有無の判断で亀裂がある(47頁)。2014/12/20

むつこ

16
女性農業者=農家の嫁、たちが銀行口座を持てるようになった。喜びが震災によって「がっかりして腰が抜けそうだった」な試練が襲ってきた。人のいのちをつなぐ食と農は、今、「測ること(放射線測定)」を記録しているという。安心な暮らしを考えて行きたい。2014/09/29

Humbaba

7
震災によって地域に戻れなくなるというのは、単に生活の拠点や仕事を失うというだけではない。無論、それによって生活が激変するのは問題だが、それ以上に今まであったコミュニティが崩れてしまうというのがより大きな問題となる。新しいコミュニティを作るというのは容易なことではないが、それをやらなければ一層生活にハリを失ってしまう2014/10/27

4
塩谷弘康さん、岩崎由美子さん著の「食と農でつなぐー福島から」を読み終えました。震災を生き抜く女性農業従事者の物語です。キーワードは、食、農、女性、震災、原発、繋がり、地方、です。いずれかに興味のある人は読んでみてください。震災を乗り越えるために農家がどのような活動に取り組んできたのかを細かく説明されています。復興は、生きるために必要な食からという考えがひしひしと伝わってきます。農業を含めた一次産業は、国の基盤だと考えているので、この本を読んでいっそう農業に携わりたいという気持ちが強くなりました。2021/03/29

サカモトマコト(きょろちゃん)

2
震災と原発事故で住む場所を失った福島の女性たちの奮闘とそれを支えた人々を描いたノンフィクション。 こういうプロジェクトが行われていることをもっといろんな人に知ってほしいと思いました。 2016/07/08

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