内容説明
精神科医ラゼーグら周囲の心遣いから次第に心を開くようになった音奴。日本の旅芸人一座にいたという彼女が語り始めた身の上にラゼーグは驚きを隠せない。そんななか、連続女性失踪事件を追うパリ警視庁警視の妹で、ラゼーグとも親しい仲だったラボリ嬢が殺害される。犯人は誰で、その目的は何なのか。失踪事件の真相とは。華やかなパリ万国博覧会の陰で起こった猟奇的事件をスリリングに描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
菜穂子
75
上下巻のかなりページを追ってもどこに導こうとしているのが掴めなかったが、パリ万博の時に起きた女性不明事件に、精神科医ラグーゼが関わり、俄然面白くなった。疑問、違和感がやがて犯人に結びついていき、事件を起こした犯人の精神の異常さを見いだしていくのは精神科医としての視点で日常の診療の積み重ねに結びつくようでもあった。終わってしまえば、ラグーゼ医師がポリニャック夫人に関わり渦の中に飛び込んでしまう危うさと、そのことで起きてしまった事件は深めず傍観者的なのが気になったけれども。2019/02/07
まこみん
70
連想女性失踪事件とジュリアン自身に降りかかる狂信的ストーカー。華やかなパリ万博の陰で邪悪な倒錯的な面のパリが存在している。推理的な面白さよりも、当時の精神科医が見立てる人々の心の闇、見かけばかり背伸びしたがる日本国の危うさ、日本ブームの中にも根強い人種差別感の様子が描かれていく。屋敷内で犯人を捜しだす場面はドキドキしたけど、ポリニャック夫人の方は決着不明のままなのが気になった。 読後はネットで、当時の完成後十数年のエッフェル塔や大観覧車、パリ万博に集う人々、そして薔薇窓の写真に見入って余韻を楽しんだ。2016/09/22
momi
22
上巻は頭に入っていかなくて苦戦した作品。1900年、万国博覧会で賑わうパリが舞台!そのパリの街でボロボロの姿で発見され、警察に保護された日本人の「音奴」彼女を診察した精神科医「ラゼーグ」この二人を中心に話が展開されていきます。謎の連続女性失踪事件の真相は?ラゼーグを追い回す伯爵夫人との関係は…ってところが読みどころなのだけど…登場人物も多く、フランス名前も覚えられないし、パリの美しい街並みの情景描写が長い…。そのため、なかなか話が進行していかないことに挫折しそうでした。一冊分の長さなら楽しめたと思います!2014/09/13
mattu
17
音奴に繋がるストーリー。ラボリ嬢の死は音奴への‥2020/08/12
jima
17
ポリニャック夫人はどうなったのか?音奴の存在がよかった。2019/10/11
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