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内容説明
大正期最大のアナーキストにして、危うい魅力を放ち幾多の女性と浮名を流した大杉栄。彼の妻となり、共に甘粕事件で虐殺された「青鞜」最後の編集者伊藤野枝。女性の自立を志し、大いなる愛と情熱を胸に時代を駆け抜けた野枝と「青鞜」の女たちに刺激を受けて「『東京ラブストーリー』の赤名リカのキャラクターを考えた」と言う柴門ふみさんが、瀬戸内寂聴さんの原作を漫画化。大胆で情熱的で野性的な女たちが、時を超えていきいきと描かれます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
40
柴門さんがこの本をコミカライズしているとは知りませんでした。原作よりも人物描写がビビッドで、作者の意気込みが伝わってきます。大杉栄の幼少期の話は知らなかったのでゾッとしました。この人、軍隊で成功していたら甘粕なみにおそろしい人になっていたかもしれないなあ。…そういえば、祖父母の家に昔彼の書があったらしいです。伯母がうっかり捨てたとか。2023/02/02
ゆゆ
26
大杉栄と共に甘粕事件で殺害された伊藤野枝の半生。瀬戸内寂聴の原作を漫画化したもの。原作を読んだ際に頭の中で野枝やその周りの人々を思い描いていたが、こうやって漫画になると想像通りな部分に違う映像がプラスされてより楽しめた。(大杉栄は脳内イメージよりも軽薄さが増したw。)らいてうの周辺で起きた煤煙事件、五色の酒事件、野枝の婚家から逃亡→英語教師と同棲、大杉栄と不倫、しかも四角関係…など現代でもスキャンダルとして騒がれそうな出来事が、あの時代に起きたことを考えると…事実は小説より奇なりかも?(ちょっと違う?)2016/09/22
てつ
22
激しく、アツク生きる。思想、表現、行動、自分に正直に臆することなく突き進む。しがらみが多い現代社会において、非常に刺激的内容。知らないことがまだまだ多い。そしてそれを知る喜び。良書との偶然の出会いは至福の喜び。2015/03/01
みーなんきー
18
明治から大正にかけて、文筆家達が日本のあるべき姿を語っていた。そこに生まれる男女の愛憎劇。世間で噂されるゴシップ。今も当時も同じ、と思う事も数々あり、人間所詮は求めているものが変わらないのかも、と思う。大杉栄の本をまた、数冊読んでみたい。2015/05/18
澤水月
16
どんどん嫉妬に狂い鬼と化し歴史に残る修羅場を演じる神近の顔、あの崩れた描線で描かれると怖いよ怖いよ…伊藤野枝(赤名リカのモデルだと!)を中心に後のダダイスト辻潤の出会いとアナキスト大杉栄による略奪、糟糠の妻・堀保子とインテリ女性記者神近市子との四角フリーラブと破綻を駆け足で描く。瀬戸内原作より各者の思想削ぎ落とし色恋SEXに潔い程絞っておりいっそ柴門にぴったりな。本書で正力松太郎が大杉を張ってたと知れたのは収穫だった。正直出来事の表面をなぞってラスト数頁で「その後」をやるには惜し過ぎる人々なんだけど2014/06/14