内容説明
大好きだった土地の想い出、忘れることのできない言葉、建築への目覚め、鋭く研ぎ澄まされた感性、数々のプロジェクトに込められた想い。既存の枠組みに果敢に挑戦する創作姿勢は、いかにして形づくられたのか―。隈研吾の思想と行動の原点、独創をつらぬく精神の歩み。そして、新たな建築哲学。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YM
68
僕は隈さんの建築が好きだ。建築がその場所にある意味を考えてつくっているから自然体だ。しかしデザインは常に革新的で一目見ると隈さんの建築だとわかるからすごい。一流の建築家は建築が素晴らしく、それを一般の人に伝える言葉をもっている。でもその言葉ってあまり一般には届いていない気がする。例えば建築家を5人挙げられる人ってどれくらいいるんだろう。別にそれが偉いことではなくて、都市や住宅に興味を持って主体的に考えられる人が増えると、もっと居心地のいい場所が増えると思う。僕はそんな場所が増えてほしいし増やしたい。2015/04/10
Mijas
24
面白かった。子供の頃から地面に関心があったという隈さん。裸足で土を踏む感覚に隈さんの思考の原点があるのかもしれない。中高での中間体操の話も、アフリカでの集落調査の話も興味深い。建築の歴史についても、さりげなく、わかりやすく概説してくれる。「ウェーバーとモダニズムデザインの関係」「世紀末の諦念の上にあるたそがれの時代」といったように。様々なエッセンスで時代様相を捉えている。「破片として粉砕された自分をつなぎあわせた」本なのだそうだが、深い思考の中にも柔らかさが感じられて、益々隈さんファンになった。2015/05/02
izw
18
独創的な建築を次々と創る隈さんが、幼少期から大学までに住んだり、通ったり、行ったりして関わった場所、影響を受けた人から、自分の設計思想のルーツを探るエッセイです。場所は、住まいのあった大岡山、幼稚園・小学校と通った田園調布、中学高校の大船、そして、サハラです。隈健吾の考え方が、こんなところが元になっているのかと感心し、納得できました。隈健吾ファンの皆さんにはお薦めの本です。この本の中でもふれられていた「10宅論」が面白そうで、次に読もうと思っています。2014/10/11
nbhd
14
夢中になって、たてつづけに10冊以上読んでいるっていうことは、隈さんは僕にとってはもうマスタークラスの書き手になっているってことだ。「なんかおかしい」っていう文句も何もなくなって、言っていることがすべて正しいっていう宗教的なスタンス。誰にも薦めないけど、あぁ自分が読んでて幸福!な読書だった。検索にひっかからない「土、水、光、風の記憶」をつづった自伝(隈版「彼自身によるバルト」)。紹興酒の甕の思い出から始まる毛沢東と魯迅の字体比較。多幸感。2017/05/31
masawo
7
自らのルーツとなった場所について掘り下げており、単なる自伝にとどまらないスケールの内容になっている。「近代」という視点や「拒否」から産まれるモノについての考察が興味深く、コンクリート建築を始めとした多種多様な価値観にケンカを売っているのが意外だった。2021/08/08
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